アメリカのとある父親が、facebookに親への不満を書きつづった15歳の娘への報復措置として、娘のPCに銃弾を撃ち込む動画を自ら撮影し、youtubeに投稿。ネットやソーシャルメディアと子どもの関わり方に頭を悩ませる親たちから、「私のヒーロー!」と共感と称賛の声が沸き起こっている。

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facebook parenting: for the troubled teenのスクリーンショットより


ノースカロライナ州に住むコンピューター技師のこのお父さん、「facebook parenting: for the troubled teen(facebookのしつけ:問題を抱えた10代へ)」と題した8分23秒のビデオ冒頭で、娘がFBに投稿した不満を読み上げる。「お父さん、お母さんへ。私はあんたたちの奴隷じゃないのよ、くそったれ。毎日学校から帰って皿を洗って床を掃除して洗濯して…。手伝った分、金払えっての。そのうちあんたたちが年取ってお尻ふくの手伝えって言われても、私は知らないからね」。
典型的な南部の保守層に見えるお父さんは続ける。「父さんがどれだけお前に失望させられたか、大人たちに対してお前がどれだけ無礼だか分かるか。これで済んで良かったと思え」。そして、地面に置かれた娘のノートパソコンに9発、続けざまに発砲したお父さんは、すぐさま、その動画をyoutubeと娘のFBのウォールに投稿したというわけ。

当初、「目には目を、facebookにはfacebookを」の軽い気持ちで、娘のFBに投稿したというお父さん。娘と自分のFB上の友達せいぜい500人ぐらいに視聴されるだけだろうと考えていたそうだが、youtubeではこれまでに3100万回以上も再生され、全米の注目を集める結果に。日本同様、子どもをめぐるネット環境が社会問題化している中、過激な手段で娘からネット環境を奪ったこのお父さんには、「史上最高のお父さん」「あなたはヒーローよ」といった称賛の声が集まっている。

もちろん、「家庭内で話し合うことはできなかったのか」「娘の人生を台無しにする傲慢な父親」などの批判もあるが、オンラインの世論調査では、約75%が、このお父さんを支持する結果となった。

想像を超える反響に、メディアの取材を避けていたこの父子だが、今月上旬、1ヵ月の沈黙を破って、テレビに出演。父は、今回の行動を「後悔していない」と語り、娘も「ちょっと過剰反応だったとは思うけど、理解できる」とした。

お父さん、今回の騒動の教訓として、自分のFBにこんなコメントを残している。「娘にはずっと、ネットに投稿したものは永久について回ると教えてきた。今回、娘は起こりうる最悪のシナリオを身を持って体験したことになる。一人の父親のたった一回の投稿が彼の残りの人生にずっとついて回るのと同じで、娘のFBのコメントも、傷つけた人にずっとついて回る。ネット上に一度出してしまうと、もう取り返すことはできないんだ。だから自分の考えや感情を広めるためにインターネットを使う時には、よくよく考えることだ」。

PCに拳銃をぶっ放すやり方の是非はともかく、今回の騒動から学ぶことは多いだろう。

恩田 和(Nagomi Onda)恩田 和(Nagomi Onda)
全国紙記者、アメリカ大学院留学、鉄道会社広報を経て、2010年に長女を出産。国内外の出産、育児、教育分野の取材を主に手掛ける。2012年5月、南アフリカのヨハネスブルグに移住予定。アフリカで子育て、取材活動を満喫します!