大きな耳に愛くるしい目、ふわふわした茶色の毛で、サルのようでもクマのようでもあるキャラクターとして、日本でも人気急上昇中の「チェブラーシカ」。じつは、ロシア随一の児童文学作家、E・ウスペンスキー氏による絵本、「ワニのゲーナ」シリーズに登場する、ロシアの国民的キャラクターである。

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「チェブラーシカ」とは、ロシア語で“ばったり倒れ屋さん”の意味。ストーリーの冒頭、遠い南の国から送られてきたオレンジの箱を果物屋のおじさんが開けたところ、そこに眠っていたのがチェブラーシカ。起こしてもすぐに倒れてしまったことから、その名が付けられたそうだ。
本作品は、そんなチェブラーシカが、ひとりぼっちのワニのゲーナが書いた「友だち募集」の貼り紙を見つけ、彼と友だちになるところから始まり、彼ら二人がたくさんの友だちと出会う中で、心温まる物語が繰り広げられるという展開。

そしてこのたび、GW前半の4月30日(月・祝)にNHK Eテレで9:00~10:10の間、「チェブラーシカ デジタルリマスター版 全4話」が、正月の地上波初放送に続き、再び日本語吹き替え版で放映されるという。家族で楽しめる愛らしいキャラクターを、ぜひチェックしてみよう。


そもそも今年、2012年はロシア・アニメーションの誕生から100周年ということもあり、日本でもそれを記念して、「チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち」と銘打った展覧会が開催されることになった。

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展覧会では、チェブラーシカのスケッチや絵コンテをはじめ、2010年に公開された映画の撮影で使用したパペットやマケット(舞台装置)、さらにロシアで発売された絵本の挿絵原画など貴重な作品を展示。キャラクター誕生からその変遷、パペットアニメーションの制作過程などを多面的に紹介するという。

展覧会は全国美術館を巡回し、滋賀県立近代美術館(6月9日~7月29日)を皮切りに、福岡の三菱地所アルティアム(8月4日~9月17日)とつづき、2014年まで国内を巡回する予定。

隣国でありながら、近くて遠い国、ロシア。2013年にはモスクワで世界陸上が、また2014年はソチ冬季五輪が開催され、ますます注目を集める予感。その文化に、親しみやすいチェブラーシカをきっかけに触れてみてはいかがだろう。

チェブラーシカ公式ホームページ
(c)Cheburashka Project