「やったぁ、しまじろうが来てる!」郵便受けを開けて喜ぶ子ども。
毎回これを楽しみにしているあなた(息子)には申し訳ないが、それは私(母)が、「今なら資料請求した方全員にプレゼント」につられて個人情報を送った結果、届き続けているDM(ダイレクトメール)なのである。あの小さな虎の絵がついた「フード付きバスタオル」を入手した生後間もなくから、かれこれ5年以上……。
子どもがこの「こどもちゃれんじ」DMに何で喜ぶかといえば、このDM、「体験教材」としてちょっとしたワークブック風冊子とシールがついてくるのだ。そして、その時期の目玉の教材を模して紙で形作られた「なんちゃって教材」も入っている。さらに体験DVDまで。もうこれで、子どもにとっては「今月のしまじろう」である。

毎回これを楽しみにしているあなた(息子)には申し訳ないが、それは私(母)が、「今なら資料請求した方全員にプレゼント」につられて個人情報を送った結果、届き続けているDM(ダイレクトメール)なのである。あの小さな虎の絵がついた「フード付きバスタオル」を入手した生後間もなくから、かれこれ5年以上……。
子どもがこの「こどもちゃれんじ」DMに何で喜ぶかといえば、このDM、「体験教材」としてちょっとしたワークブック風冊子とシールがついてくるのだ。そして、その時期の目玉の教材を模して紙で形作られた「なんちゃって教材」も入っている。さらに体験DVDまで。もうこれで、子どもにとっては「今月のしまじろう」である。

申し込む気はないのだから、タオルをもらったらDMを止めるつもりだったものの、シールがもらえて喜んでいるし、まぁ、このままDMはもらっておくか、とある時から思い始めた。
定期的にくるDMにはいくつかのバリエーションがある。親だけがターゲットの、はがすハガキ、子どももターゲットの何かが入っている封書には、小さめのものと、大きくてDVDも入っているような豪華版がある。
親向けの冊子にはマンガで「お誘いストーリー」が展開されていて、これが昔よく自分宛に来ていた進研ゼミのDMに入っていた勧誘マンガそっくり。非常にストレートなストーリーに突っ込みどころ満載で、乳幼児の親は小学生と同レベルということか?と、文句のひとつもつぶやきそうになる。
ワーク風の体験教材は、シールを貼ったり書き込んだりするようにできていて、ワークに興味が無くてもとりあえず、シール好きの子どもは「シールがもらえた!」で十分うれしい。
「なんちゃって教材」は変に気合いが入っている。○○マシーンという教材の「見本」が、
1回目:紙製、形と印刷で○○マシーン風にしてある。
2回目:紙製、箱を組み立てると立体になり、画面部分の特殊印刷でその機能を演出。
3回目:立体感のあるプラスチック系の素材に印刷、よりスペシャル感がある。
と、DMが届くたびに進化していくのである。次はどんな「見本」にするかと真剣に検討している人たちがいるのかと思うと、どうもその力の入れどころが涙ぐましくすらある。
本体の教材よりDM付録の方が懇切丁寧に企画開発されているのでは?と思うような細やかなステップを踏みながら、多大な宣伝費をかけて日本全国にDMは配送され続ける。
途切れることなく届き続けるDMを受け取りながら、そのDMをベースにした宣伝への力の入れ方とお金のかけ方を改めて実感。小さなバスタオル1枚で、新生児1人分の個人情報を買い取れるなら安いものだ。
体験ワークブックとシールで遊び、「申し込んでね」攻撃満載のDVDを観る。そして忘れた頃に次のDMがやってきてまたシールをもらい……。これが意外にちょうどいいペースなのだ。「今が○○のラストチャンス!」と数々のラストチャンスを逃し続けて5年も経てば、ラストチャンスの次に次のラストチャンスが始まる輪廻に慣れきり、もうそこは悟りの境地。
もはやDMはDMとしての意味をなさず、決して顧客獲得に結びつかないフリーの教材配布と化す。あぁそうか、街頭のティッシュ配りなのかこれは。ティッシュは使われても、宣伝部分はほとんどまともに見られることはない。

引越しに伴う住所変更、「まだ手続きをしそびれて転送されてきている郵便物は……」と整理していたら、あっしまじろう!……いやいやちょっと待て、いくらなんでもDMに対して住所変更するって、そもそも世の中の仕組みとしておかしい。
もう要りません、ここが縁の切れ目。さらば、しまじろう。
定期的にくるDMにはいくつかのバリエーションがある。親だけがターゲットの、はがすハガキ、子どももターゲットの何かが入っている封書には、小さめのものと、大きくてDVDも入っているような豪華版がある。
親向けの冊子にはマンガで「お誘いストーリー」が展開されていて、これが昔よく自分宛に来ていた進研ゼミのDMに入っていた勧誘マンガそっくり。非常にストレートなストーリーに突っ込みどころ満載で、乳幼児の親は小学生と同レベルということか?と、文句のひとつもつぶやきそうになる。
ワーク風の体験教材は、シールを貼ったり書き込んだりするようにできていて、ワークに興味が無くてもとりあえず、シール好きの子どもは「シールがもらえた!」で十分うれしい。
「なんちゃって教材」は変に気合いが入っている。○○マシーンという教材の「見本」が、
1回目:紙製、形と印刷で○○マシーン風にしてある。
2回目:紙製、箱を組み立てると立体になり、画面部分の特殊印刷でその機能を演出。
3回目:立体感のあるプラスチック系の素材に印刷、よりスペシャル感がある。
と、DMが届くたびに進化していくのである。次はどんな「見本」にするかと真剣に検討している人たちがいるのかと思うと、どうもその力の入れどころが涙ぐましくすらある。
本体の教材よりDM付録の方が懇切丁寧に企画開発されているのでは?と思うような細やかなステップを踏みながら、多大な宣伝費をかけて日本全国にDMは配送され続ける。
途切れることなく届き続けるDMを受け取りながら、そのDMをベースにした宣伝への力の入れ方とお金のかけ方を改めて実感。小さなバスタオル1枚で、新生児1人分の個人情報を買い取れるなら安いものだ。
体験ワークブックとシールで遊び、「申し込んでね」攻撃満載のDVDを観る。そして忘れた頃に次のDMがやってきてまたシールをもらい……。これが意外にちょうどいいペースなのだ。「今が○○のラストチャンス!」と数々のラストチャンスを逃し続けて5年も経てば、ラストチャンスの次に次のラストチャンスが始まる輪廻に慣れきり、もうそこは悟りの境地。
もはやDMはDMとしての意味をなさず、決して顧客獲得に結びつかないフリーの教材配布と化す。あぁそうか、街頭のティッシュ配りなのかこれは。ティッシュは使われても、宣伝部分はほとんどまともに見られることはない。

引越しに伴う住所変更、「まだ手続きをしそびれて転送されてきている郵便物は……」と整理していたら、あっしまじろう!……いやいやちょっと待て、いくらなんでもDMに対して住所変更するって、そもそも世の中の仕組みとしておかしい。
もう要りません、ここが縁の切れ目。さらば、しまじろう。
![]() | 狩野さやか ウェブデザイナー、イラストレーター。企業や個人のサイト制作を幅広く手がける。子育てがきっかけで、子どもの発達や技能の獲得について強い興味を持ち、活動の場を広げつつある。2006年生まれの息子と夫の3人家族で東京に暮らす。リトミック研究センター認定指導者。 |
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