2012年のロンドンは、服装もグッズも愛国心を高揚させる英国旗柄や赤白青のロイヤルカラーでてんこ盛り。
というのも、6月2日を皮切りに4日間に渡って行われてきた英女王即位60年記念式典(ダイヤモンドジュビリー)と、夏のロンドンオリンピックとで、ロンドン全体がすっかり祝祭ムードに包まれ、大人も子供も犬も(その他も)、積極的に英国旗モチーフで着飾り祝意を表しているからなのだ。つまり、ロイヤルコスプレが公認されているということ!
というのも、6月2日を皮切りに4日間に渡って行われてきた英女王即位60年記念式典(ダイヤモンドジュビリー)と、夏のロンドンオリンピックとで、ロンドン全体がすっかり祝祭ムードに包まれ、大人も子供も犬も(その他も)、積極的に英国旗モチーフで着飾り祝意を表しているからなのだ。つまり、ロイヤルコスプレが公認されているということ!
そんなわけで、スーパーやデパートでも「ジュビリー限定デザイン」のグッズや洋服がディスプレーを賑わせ、子供服や子供の雑貨でもロイヤルモチーフが鈴なり。もちろん生粋のブリティッシュでなくたって、コモンウェルス(旧英国領)出身者であろうが、移民であろうが、それすら関係ない日本からの一時的な駐在者(私だ!)であろうが、みんな英国旗にすっかり魅了されている。
英国内では、家や窓を飾って愛国(愛女王心?)を表すための英国旗や幕が既に数十万枚、数百万メートルの単位で売れに売れ、各小売店で売り切れとなるほど。
ダイヤモンドジュビリーを迎えるにあたって、英国の子供たちもしっかりと「英女王の王位60年間」について教えられ、歌を歌い、学校によっては女王のために王や女王のコスチュームを着て学校に行く日さえあった。
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我が家の息子の学校でも、3週間ほど前に「1952年から2012年までの間にあった、重大な出来事について年表を作ってきなさい」という週末の宿題が出て、「そっ、そんなざっくりとした(日本だったら)自由研究並みのボリュームの宿題を週末だけで(しかも7歳児のクラスで)やらせるなんて、サスガ英国!!」と泡を食った私。
息子と一日がかりで、世界中の歴史年表から自分たちの考える重大事件(ベトナム戦争とかスエズ危機とか湾岸戦争とか冷戦終焉とか)を作成し、ほうほうの体で提出したら、「違う違う、この年にお父さんが生まれたとか、お父さんとお母さんが出会ったとか、子どもが生まれたとか、そういう家族の年表です」とのどかなことを言われて拍子抜けした。(もちろんやり直し。)
そんなわけで、非英国人でも「英国にいて、この瞬間を共有している」という状況下、ちゃんと英国の歴史と女王への敬意を教えられ、ジュビリーの恩恵を受けるのである。
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水上パレードの豪華船に乗れるような上流階級の人々でなくとも、ストリートパーティーというものが英国内のあちこちの住宅街の通りで行われ、ご近所同士で持ち寄った食べ物を分け合って、女王さまおめでとうと祝福する。
我が家のすぐ近くにあるパブでも、英国旗が下がる店内のバンド演奏を背景に、みんなビールやシャンペンでご機嫌。もちろん子どもたちも大人に交じって、英国旗柄のTシャツを着てハンバーガーに齧り付く、というわけ。
皮肉とウィット、斜に構えた知性が大好きな英国人であるから、もちろんそんな風に素直にジュビリーを祝う人ばかりでもなく、あえてこの時期を国外のリゾートに脱出してのんびり過ごすインテリや、君主制反対デモに参加する人々もいる。
しかし何はともあれ「女王様、60年もの長い間お疲れさま!」と、酔っぱらったりハメを外したり、普段は買ってもらえないものを買ってもらったりして、大人も子供も好きに楽しむ口実になっている、英国の長い4連休でありました。


英国内では、家や窓を飾って愛国(愛女王心?)を表すための英国旗や幕が既に数十万枚、数百万メートルの単位で売れに売れ、各小売店で売り切れとなるほど。
ダイヤモンドジュビリーを迎えるにあたって、英国の子供たちもしっかりと「英女王の王位60年間」について教えられ、歌を歌い、学校によっては女王のために王や女王のコスチュームを着て学校に行く日さえあった。
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我が家の息子の学校でも、3週間ほど前に「1952年から2012年までの間にあった、重大な出来事について年表を作ってきなさい」という週末の宿題が出て、「そっ、そんなざっくりとした(日本だったら)自由研究並みのボリュームの宿題を週末だけで(しかも7歳児のクラスで)やらせるなんて、サスガ英国!!」と泡を食った私。
息子と一日がかりで、世界中の歴史年表から自分たちの考える重大事件(ベトナム戦争とかスエズ危機とか湾岸戦争とか冷戦終焉とか)を作成し、ほうほうの体で提出したら、「違う違う、この年にお父さんが生まれたとか、お父さんとお母さんが出会ったとか、子どもが生まれたとか、そういう家族の年表です」とのどかなことを言われて拍子抜けした。(もちろんやり直し。)
そんなわけで、非英国人でも「英国にいて、この瞬間を共有している」という状況下、ちゃんと英国の歴史と女王への敬意を教えられ、ジュビリーの恩恵を受けるのである。
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水上パレードの豪華船に乗れるような上流階級の人々でなくとも、ストリートパーティーというものが英国内のあちこちの住宅街の通りで行われ、ご近所同士で持ち寄った食べ物を分け合って、女王さまおめでとうと祝福する。
我が家のすぐ近くにあるパブでも、英国旗が下がる店内のバンド演奏を背景に、みんなビールやシャンペンでご機嫌。もちろん子どもたちも大人に交じって、英国旗柄のTシャツを着てハンバーガーに齧り付く、というわけ。
皮肉とウィット、斜に構えた知性が大好きな英国人であるから、もちろんそんな風に素直にジュビリーを祝う人ばかりでもなく、あえてこの時期を国外のリゾートに脱出してのんびり過ごすインテリや、君主制反対デモに参加する人々もいる。
しかし何はともあれ「女王様、60年もの長い間お疲れさま!」と、酔っぱらったりハメを外したり、普段は買ってもらえないものを買ってもらったりして、大人も子供も好きに楽しむ口実になっている、英国の長い4連休でありました。

▲筆者もついつい購入してしまった、ジュビリー限定品のごく一部……。炊事用の手袋まで……。

▲m&m’s限定品を開けると、そこには当然赤白青のロイヤルピーナツチョコが! ぎゃ??!(喜びの悲鳴)
![]() | 河崎環 コラムニスト。子育て系人気サイト運営・執筆後、教育・家族問題、父親の育児参加、世界の子育て文化から商品デザイン・書籍評論まで多彩な執筆を続けており、エッセイや子育て相談にも定評がある。現在は夫、15歳娘、6歳息子と共に欧州2カ国目、英国ロンドン在住。 |
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