日本では、幼稚園と保育園の機能を一体化させる「総合こども園」創設の断念を政府が表明したばかりだが、ここ南アフリカでは、いわゆる幼保一体化の施設が普通である。まもなく2歳になる我が娘が通うのも、幼児教育と、アフターケアと呼ばれる延長保育を提供する幼保一元園。今回は南アの保育園・幼稚園事情をレポートしたい。

我が家の住むヨハネスブルク北部の郊外は、中流家庭が多く住むエリア。私立小学校付属幼稚園やモンテッソーリ幼稚園、動物との触れ合いを重視したファーム幼稚園など、実に多くの選択肢に恵まれている。

我が家の住むヨハネスブルク北部の郊外は、中流家庭が多く住むエリア。私立小学校付属幼稚園やモンテッソーリ幼稚園、動物との触れ合いを重視したファーム幼稚園など、実に多くの選択肢に恵まれている。
4ヵ月から5歳まで約200人が通う娘の園は、朝7時スタートで、お迎え時間を13時、15時、17時から選べるシステム。午前中は、年齢別のクラスに分かれて、日本でいうところの幼稚園教諭の免許を持った先生と各分野の専門家の指導のもと、音楽やアート、陶芸、料理など様々なアクティビティに取り組む。日本の幼稚園とほぼ同じイメージだ。
ランチとお昼寝を挟んで午後は広い園庭で自由に遊びながら(0~3歳児が遊ぶ園庭と4~5歳児が遊ぶ園庭は分かれている)、それぞれお迎えの時間を待つのだが、外遊びを見守ったり一緒に遊んだりするのは、午前中とは別の保育スタッフ。いわゆる保育士の資格を持った先生もいれば、幼稚園教諭を目指して勉強中の大学生もいるよう。こちらは遊び中心で、日本の保育園に似ている。
このほか、ほとんどの園が、別料金でバレエや水泳、体操などの習い事を午後の時間帯に提供している。また、夏休みや冬休みなどの長期休暇中は、別料金でホリデーケアを受けることもできる。つまり、この国では、迎えの時間も休み期間も、放課後の習い事の有無も、すべて保護者の自由選択制となっている。仕事を持つ親もそうでない親も、望めば同じ園で、同じ教育・ケアを子どもに受けさせられるというわけ。
ちなみに我が娘の入園にあたって必要だったのは、パスポート(身分証明)と母子手帳のコピー(予防接種履歴の証明)のみ。なかには生まれた直後から申し込みが必要な人気園もあるようだが、親の就労証明を求める園はない。「待機児童」なんていう言葉も存在しない。
(一方で、この国の子どもたちが貧困、レイプ、HIVなど、より深刻な問題に直面しているのも事実ではあるが。)
まだまだ保育園=働く母親、幼稚園=専業主婦の母親が子どもを通わせる場所というイメージが根強い日本。「こども園」の問題点ばかりがクローズアップされ、二重行政の弊害もあって遅々として幼保一元化が進まないが、いろいろなバックグラウンドを持つ子どもたちが共に学び、遊び、伸び伸びと過ごす様子を見ていると、難しいことは抜きにして、日本もこうなるといいのになあと思わずにはいられない。
ランチとお昼寝を挟んで午後は広い園庭で自由に遊びながら(0~3歳児が遊ぶ園庭と4~5歳児が遊ぶ園庭は分かれている)、それぞれお迎えの時間を待つのだが、外遊びを見守ったり一緒に遊んだりするのは、午前中とは別の保育スタッフ。いわゆる保育士の資格を持った先生もいれば、幼稚園教諭を目指して勉強中の大学生もいるよう。こちらは遊び中心で、日本の保育園に似ている。
このほか、ほとんどの園が、別料金でバレエや水泳、体操などの習い事を午後の時間帯に提供している。また、夏休みや冬休みなどの長期休暇中は、別料金でホリデーケアを受けることもできる。つまり、この国では、迎えの時間も休み期間も、放課後の習い事の有無も、すべて保護者の自由選択制となっている。仕事を持つ親もそうでない親も、望めば同じ園で、同じ教育・ケアを子どもに受けさせられるというわけ。
ちなみに我が娘の入園にあたって必要だったのは、パスポート(身分証明)と母子手帳のコピー(予防接種履歴の証明)のみ。なかには生まれた直後から申し込みが必要な人気園もあるようだが、親の就労証明を求める園はない。「待機児童」なんていう言葉も存在しない。
(一方で、この国の子どもたちが貧困、レイプ、HIVなど、より深刻な問題に直面しているのも事実ではあるが。)
まだまだ保育園=働く母親、幼稚園=専業主婦の母親が子どもを通わせる場所というイメージが根強い日本。「こども園」の問題点ばかりがクローズアップされ、二重行政の弊害もあって遅々として幼保一元化が進まないが、いろいろなバックグラウンドを持つ子どもたちが共に学び、遊び、伸び伸びと過ごす様子を見ていると、難しいことは抜きにして、日本もこうなるといいのになあと思わずにはいられない。
![]() | 恩田 和(Nagomi Onda) 全国紙記者、アメリカ大学院留学、鉄道会社広報を経て、2010年に長女を出産。国内外の出産、育児、教育分野の取材を主に手掛ける。2012年5月より南アフリカのヨハネスブルグに在住。アフリカで子育て、取材活動を満喫します! |
---|