アメリカの疾病対策予防センター(CDC)が先月発表した最新の統計から、アメリカ人女性の出産年齢がますます高くなっていることが判明した。今回の調査期間である1990年から2008年にかけて、20代前半での妊娠件数が約18%減少したのに対して、30代後半の妊娠件数は38%、40代前半では約65%も上昇している。

アメリカの疾病対策予防センター(CDC)(http://www.cdc.gov/nchs/data/nvsr/nvsr60/nvsr60_07.pdf)より

アメリカの疾病対策予防センター(CDC)(http://www.cdc.gov/nchs/data/nvsr/nvsr60/nvsr60_07.pdf)より
ニューヨークタイムズの記事によると、こうした結果は、20代の女性がキャリアを重視し、結婚や妊娠を先延ばしにする傾向があることに加えて、将来の妊娠・出産に備えて卵子凍結に“投資”する女性が増えているからだそうだ。高学歴の女性ほど、出産年齢が高くなるとも分析している。
しかしこの記事に対する読者の反応を見ていると、必ずしもすべてのアメリカ人女性が、キャリアを追求するあまり意図的に結婚・出産を遅らせているわけではない現状が透けて見える。
・20代は家計が苦しく子どもを産む余裕がなかった
・30代半ばで結婚したものの、なかなか授からず不妊治療を続けていた
などの理由もあるが、記事に異論を唱えている高齢出産経験者の多くが、30代後半まで「right man(ふさわしい男性)」に出会えなかったことが原因だと訴えているのが興味深い。キャリアを重視して意図的に結婚を遅らせたわけではなく、単に、「この人の子どもを産みたい」「この人と家庭を築きたい」と思えるオトコに巡り合えなかったのだと。そして、彼女たちは、高齢出産=バリバリのキャリアウーマンというステレオタイプにうんざりしていると訴える。
日本では、野田聖子議員の50歳での出産が物議をかもし、超高齢出産にある種のイメージを与えてしまった感がある。しかし、野田議員自身も含め、女性の妊娠・出産までのストーリーは人それぞれで、メディアがステレオタイプ化できるものではないだろう。
とはいえ、産む/産まないの選択の前に、そもそも出会いがないというアメリカ女性の現状は、婚活ビジネス全盛の日本の男女が抱える悩みと通じるものがあるのも確か。少子化対策の一環として、各地域の行政までもが婚活支援に力を注ぐ日本。アメリカも見習えばいいのかも!?
しかしこの記事に対する読者の反応を見ていると、必ずしもすべてのアメリカ人女性が、キャリアを追求するあまり意図的に結婚・出産を遅らせているわけではない現状が透けて見える。
・20代は家計が苦しく子どもを産む余裕がなかった
・30代半ばで結婚したものの、なかなか授からず不妊治療を続けていた
などの理由もあるが、記事に異論を唱えている高齢出産経験者の多くが、30代後半まで「right man(ふさわしい男性)」に出会えなかったことが原因だと訴えているのが興味深い。キャリアを重視して意図的に結婚を遅らせたわけではなく、単に、「この人の子どもを産みたい」「この人と家庭を築きたい」と思えるオトコに巡り合えなかったのだと。そして、彼女たちは、高齢出産=バリバリのキャリアウーマンというステレオタイプにうんざりしていると訴える。
日本では、野田聖子議員の50歳での出産が物議をかもし、超高齢出産にある種のイメージを与えてしまった感がある。しかし、野田議員自身も含め、女性の妊娠・出産までのストーリーは人それぞれで、メディアがステレオタイプ化できるものではないだろう。
とはいえ、産む/産まないの選択の前に、そもそも出会いがないというアメリカ女性の現状は、婚活ビジネス全盛の日本の男女が抱える悩みと通じるものがあるのも確か。少子化対策の一環として、各地域の行政までもが婚活支援に力を注ぐ日本。アメリカも見習えばいいのかも!?
![]() | 恩田 和(Nagomi Onda) 全国紙記者、アメリカ大学院留学、鉄道会社広報を経て、2010年に長女を出産。国内外の出産、育児、教育分野の取材を主に手掛ける。2012年5月より南アフリカのヨハネスブルグに在住。アフリカで子育て、取材活動を満喫します! |
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