小さな人間の女の子・スイちゃんと水色の可愛らしい人形・コッシーがおしゃべりをしている。「みいつけた!」(NHK教育 / 月~金 午前 7:46~8:01 [再]午後 5:00~5:15)を初めて見た時、これはどこにでもありそうなごく平凡な子ども向け番組だと思った。
ところが、水色のキャラはなんと椅子なのだという。

ところが、水色のキャラはなんと椅子なのだという。

主役が椅子って斬新じゃない?
動きにくいよ、椅子。
というか、動かしにくいでしょ、椅子。
せめて背もたれの後ろに顔がついていれば、四つ足の動物を擬人化するように表現できるけれど、コッシーの顔は背もたれの内側にある。そして、4本の脚は座面の下。イヌやネコのように、前足、後ろ足を手足にみたてるようにはいかないのだ。
しかも、スイちゃんとコッシー二人のコーナーだけではなく、登場人物が全員椅子という「いすのまちのコッシー」というアニメまで! 町長さんも椅子。おじさんも椅子。お姉さんも椅子。ギター抱えて唄ってる歌手も椅子。出てくるキャラ出てくるキャラ、みんな椅子。とにかく椅子。椅子だらけ。
でも、よく考えたら、椅子って小さい子どもたちにとって親しいモノだよね。保育園や幼稚園にもある。公園や遊園地には必ずベンチがあるし、デパートにも銀行にもレストランにもある。家の中には自分専用のベビー椅子、自転車の補助椅子…三輪車のサドルも椅子の仲間かも。
ただ、こういう場合、テーブルさんとか冷蔵庫さんとか掃除機さんとか、いろいろな道具をキャラにしがち。その方がキャラクターの造形も性格設定もバリエーションがつけやすいし、「おうちにあるもの」の名前を小さい子どもたちに教えられて一石二鳥だ。
だけど「みいつけた!」は椅子ばっかり。潔し。しかも、椅子たちの造形が抜群に可愛いのだ(キャラクタデザイン:大塚いちお)。
そして、もうひとつ驚いたことがある。コッシーの声だ。
「みいつけた!」ファンならご存知の通り、コッシーの声はサバンナの高橋茂雄が演じている。バラエティ番組におけるサバンナ高橋といえば、先輩をおだてまくる太鼓持ち芸人であったり、実家がお金持ちのお坊ちゃん芸人であったり、学生時代の失敗談や自分がどれだけイケてなかったかを達者に話したりという役回り。調子が良くて要領が良くて小狡そうに見えてというスネオ的なキャラで、子ども向け番組の主人公のイメージはない。
ところが、サバンナ高橋演じるコッシーは太鼓持ち感ゼロ、違和感なし。いや、それどころかちゃんと可愛い椅子の男の子に見えるのである。独特のいつも笑っているような甘えたような喋り方がコッシーにピッタリ。芸歴17年のベテラン芸人ならではのよく通る声も既存の声優さんとは一味違う新鮮さがある。
Wikipediaによると「『みいつけた!』のプロデューサーが後に『犬井ヒロシのネタを見て、高橋さんの起用を決めた』と語っている」とあるのだけれど、「エンタの神様」の犬井ヒロシからコッシーは思いつかないでしょ、普通。彼を起用しようと言い出したスタッフは偉いなあ。慧眼だなあ。
人間のコドモの「スイ」ちゃんの名前は「イス」を逆さにしたのだろうし、コッシーは「骨子」……じゃなくてたぶん「腰掛け」からコッシー。そして、もう一人のメインのキャラクター「サボさん」はサボテンだからサボさん。
ここまで椅子にこだわっておいて何のヒネリもなくサボさん。なぜだ。
あと、「よんだ?」コーナーに登場するオフロスキーは、ウッチャンがコントで演じていたミル姉さんの色違いっぽいよね。
動きにくいよ、椅子。
というか、動かしにくいでしょ、椅子。
せめて背もたれの後ろに顔がついていれば、四つ足の動物を擬人化するように表現できるけれど、コッシーの顔は背もたれの内側にある。そして、4本の脚は座面の下。イヌやネコのように、前足、後ろ足を手足にみたてるようにはいかないのだ。
しかも、スイちゃんとコッシー二人のコーナーだけではなく、登場人物が全員椅子という「いすのまちのコッシー」というアニメまで! 町長さんも椅子。おじさんも椅子。お姉さんも椅子。ギター抱えて唄ってる歌手も椅子。出てくるキャラ出てくるキャラ、みんな椅子。とにかく椅子。椅子だらけ。
でも、よく考えたら、椅子って小さい子どもたちにとって親しいモノだよね。保育園や幼稚園にもある。公園や遊園地には必ずベンチがあるし、デパートにも銀行にもレストランにもある。家の中には自分専用のベビー椅子、自転車の補助椅子…三輪車のサドルも椅子の仲間かも。
ただ、こういう場合、テーブルさんとか冷蔵庫さんとか掃除機さんとか、いろいろな道具をキャラにしがち。その方がキャラクターの造形も性格設定もバリエーションがつけやすいし、「おうちにあるもの」の名前を小さい子どもたちに教えられて一石二鳥だ。
だけど「みいつけた!」は椅子ばっかり。潔し。しかも、椅子たちの造形が抜群に可愛いのだ(キャラクタデザイン:大塚いちお)。
そして、もうひとつ驚いたことがある。コッシーの声だ。
「みいつけた!」ファンならご存知の通り、コッシーの声はサバンナの高橋茂雄が演じている。バラエティ番組におけるサバンナ高橋といえば、先輩をおだてまくる太鼓持ち芸人であったり、実家がお金持ちのお坊ちゃん芸人であったり、学生時代の失敗談や自分がどれだけイケてなかったかを達者に話したりという役回り。調子が良くて要領が良くて小狡そうに見えてというスネオ的なキャラで、子ども向け番組の主人公のイメージはない。
ところが、サバンナ高橋演じるコッシーは太鼓持ち感ゼロ、違和感なし。いや、それどころかちゃんと可愛い椅子の男の子に見えるのである。独特のいつも笑っているような甘えたような喋り方がコッシーにピッタリ。芸歴17年のベテラン芸人ならではのよく通る声も既存の声優さんとは一味違う新鮮さがある。
Wikipediaによると「『みいつけた!』のプロデューサーが後に『犬井ヒロシのネタを見て、高橋さんの起用を決めた』と語っている」とあるのだけれど、「エンタの神様」の犬井ヒロシからコッシーは思いつかないでしょ、普通。彼を起用しようと言い出したスタッフは偉いなあ。慧眼だなあ。
人間のコドモの「スイ」ちゃんの名前は「イス」を逆さにしたのだろうし、コッシーは「骨子」……じゃなくてたぶん「腰掛け」からコッシー。そして、もう一人のメインのキャラクター「サボさん」はサボテンだからサボさん。
ここまで椅子にこだわっておいて何のヒネリもなくサボさん。なぜだ。
あと、「よんだ?」コーナーに登場するオフロスキーは、ウッチャンがコントで演じていたミル姉さんの色違いっぽいよね。
![]() | みやしたゆきこ 昭和37年東京生まれの呑気系ライター。時々イラストも。平成7年に個人サイト「東京福袋」開設、平成12年に著書「教育テレビの玉手箱」「おかあさんといっしょのあ・い・う」刊行。馬鹿魂を磨くべく日夜昼寝に励んでいる一児の母。日経PCオンラインにて「iPhone様と私」連載中。 |
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