朝は修羅場である。いつも。
そもそも論で言えばメチャクチャ低血圧で朝に弱く、とにかく起き上がるだけで必死な筆者が、乳幼児から小学生まで3人もの子どもを早朝からお世話している!という事実だけでも、褒められていい。奇跡だ。
余裕なんてものは、毎朝、まるで無い。
三姉妹の大きい方から順に叩き起こし、朝食を与え投薬。「忘れ物無ぇがー!」と恫喝しながら、まず小学生を送り出せば一面クリア。
小学生にギャンギャン言っている傍ら、「何で今朝は食後のヨーグルトが無いのぉ……」とかいう理由でシクシク泣きだす保育園児を、「今日のところはバナナで諦めろ」と説得しながら、「おちぃかいてー(お尻、替えて=オムツ交換して)!」と迫ってくる1歳児のオムツ替えを行う。うーむいいバナナうんちだ。今さっきバナナを与えておいて難だが。
そもそも論で言えばメチャクチャ低血圧で朝に弱く、とにかく起き上がるだけで必死な筆者が、乳幼児から小学生まで3人もの子どもを早朝からお世話している!という事実だけでも、褒められていい。奇跡だ。
余裕なんてものは、毎朝、まるで無い。
三姉妹の大きい方から順に叩き起こし、朝食を与え投薬。「忘れ物無ぇがー!」と恫喝しながら、まず小学生を送り出せば一面クリア。
小学生にギャンギャン言っている傍ら、「何で今朝は食後のヨーグルトが無いのぉ……」とかいう理由でシクシク泣きだす保育園児を、「今日のところはバナナで諦めろ」と説得しながら、「おちぃかいてー(お尻、替えて=オムツ交換して)!」と迫ってくる1歳児のオムツ替えを行う。うーむいいバナナうんちだ。今さっきバナナを与えておいて難だが。
洗濯機の中で蒸れた洗濯物をわたわたベランダに干していると、1歳児が睡蓮鉢のメダカを網ですくわんとハッスルしているのを発見、絶叫して止めさせる事案発生。その後、布団を畳みつつ誰かのオネショの痕跡を発見するトラブル発生。この日替わりで差し挟まれるイベントこそ、育児の醍醐味であろうか。ヒーッてなっちゃうけどね。
さあ、食後の保育園児を着替えさせながら、リュックの中身をチェックして検温、連絡帳に記入だ。ゴールはもう少し!
無心におにぎりを食べている1歳児を横目に、5歳児にも投薬。すかさず、デザートとして?「オッパイよー」と引っ付いてくる人に授乳しつつ、その空いた手で保育園児の髪をすき……「あ、歯磨きした?まだ?!あと5分で家出るよ!」……みたいな感じである。いつも。
そんな修羅の時、我が家では時報代わりにETVを流しっぱなしにしている。7時の『シャキーン!』で始まり、『みいつけた!』と同時に小学生は家を出、『いないいないばぁっ!』のエンディング後にはチビたちを連れて保育園に向かわねばならぬ定め。
うっかり『えいごであそぼ』が始まってしまうと「やばい」。だから春の番組改編時は恐怖に苛まれる。時間感覚が狂うから。
いつだか『おかあさんといっしょ』と『いないいないばあっ!』を入れ替えられた時には、正直しばらく立ち直れなかった……。
-----
さて、以上はマクラ。本題に入ろう。
……そう。毎朝が修羅場……ゆえ、「流しっぱなし」のETVを筆者は耳で「聞いて」いるだけで、実のところほとんど画面を見たことが無い。
子どもたちが必要以上に見入ってしまっても困る朝のETVって、ぶっちゃけ音声だけで良いんだよなあ~と思っていたりも、する。
『シャキーン!』の「おべとも学園」以外、音だけでもだいたい中身も分かるし。まあ内容を頭に入れなければいけないというワケでもないので、まあなんとなく漠然と聞こえているだけでいいのだ。
ある時、そんな「耳で漠然と聞いているだけ」の番組の中、不思議と気になるコーナーが始まった。それは『おかあさんといっしょ』の中で放映されている着ぐるみ人形劇、「ポコポッテイト」だった。
着ぐるみ人形劇の存在だけなら、大昔から連綿と続いているわけであり、特に目新しいものではない。しかしこの「ポコポッテイト」。ふっと耳に入ってくる会話が妙に引っかかる……ありていに言えば、「すっげーイラつく?」(笑)。

そう気づいた後しばらくして、イラつくポイントが明らかになってきた。まず、牛だか羊だかわかんないメインキャラクターの一人(人じゃないけど)「メーコブ」が何かしら話し出すと、筆者は漏れなく不快になることを自覚したのである。
っていうか、そもそも何こいつ? 二言目には「このぶち模様は名門ジャコブ家の伝統のしるし、何を隠そう僕はヒツジのプリンス『メーコブ』だー!」
……って知らねえよそんなの。すぐ「モ~(無理!)」とかってヘタレるし。イラ~。
しかして、メインキャラである残りの2名(何の生き物かよく分からない「ムテ吉」と、明らかに猫っていうかコテコテ猫顔の「ミーニャ」)の言動も、まるでいただけないことに、段々と気付いてゆく。
「ムテ吉」の決め台詞?「今日もごきげん元気、ムテキのムテ吉だーい!」からも滲み出ているが、ムテキな余りにコイツは人(じゃないけど)の話をほぼ聞いてない。独善的で空気読まない。自信過剰でウザい。
紅一点「ミーニャ」は言動がいつも斜め上。なにかっていうと「にゃんかわいい!」とか言い、ひたすら“女子性”の押しつけでもって無神経な男どもを蹂躙する。いわゆる女に嫌われるタイプの女。これも相当ウザい。
-----
37歳母がこんなふうに毎朝ストーリーを聞きながら、一人イライラしているのをよそに、1歳&5歳女児はフツーにこの着ぐるみ人形劇を楽しんでいる様子。少し拍子抜けというか意外な印象を受ける。
ちっちゃい子どもはこれ、イラッと来ないんかね? 長姉9歳児はたまに再放送を見ると、「こいつバカだー!」「ありえねー!」とか絶叫して、イライラを表明しているんだけど。ハテハテ。
まあそんなあんばいで数ヵ月。つい先日、「あっ!」と、突然に筆者は合点した。
あの「ムテ吉」のパワフルな鬱陶しさ、「ミーニャ」の胸焼けする女子性、「メーコブ」の誇りとヘタレの同居……。
これらすべて、「子どもという存在に良くある“ヤな感じ”のリアルで“ド”ストレートな拡大像ではないか!!!」ということに、漸く気付いたのである!!!
筆者の家には女の子が3人いるため、あの「ミーニャ」の言動にだけは、メチャクチャ「リアル」な既視感が存在する。
上の娘が2歳を過ぎたころか、妙に己の女子性に目覚めたが如く、「かわいい」服に固執しだしたことがあった。
袖を通したいのは、ピンク、フリル、レースが付いた服だけ。挙句、「これはラブだからいい!」「これはラブじゃないからイヤ!」という謎の選択基準に従って、身の回りのあらゆるモノを選り分け出し、大変面倒な思いをした(母が)。
お尻にオムツを装着しているくせに、保育園に着て行く服を選ぶのに40分を費やしたこともある。「今の気分じゃない」のがその理由で、「お前いったいどこでそんなコダワリ習って来たんだい?」と途方に暮れた。
実に「ミーニャ」じゃないか! この女子め。
「あぁ、ウザいキャラクター設定も、“子ども”なんじゃー仕方ないな~」と(まあ最初からキャラたちは幼児設定なんだが)気づいて以降は、それほどイライラしないで毎朝「聞ける」ようになってきた、今日この頃である。
でも「アレが大人だったら許せないレベルだけどな~」。
我が身を振り返る意味で、踏絵として。「ポコポッテイト」、皆様もぜひ一度、ご笑覧あれ。
・げんきの絵本 ポコポッテイト はじめての シールえほん プチ
さあ、食後の保育園児を着替えさせながら、リュックの中身をチェックして検温、連絡帳に記入だ。ゴールはもう少し!
無心におにぎりを食べている1歳児を横目に、5歳児にも投薬。すかさず、デザートとして?「オッパイよー」と引っ付いてくる人に授乳しつつ、その空いた手で保育園児の髪をすき……「あ、歯磨きした?まだ?!あと5分で家出るよ!」……みたいな感じである。いつも。
そんな修羅の時、我が家では時報代わりにETVを流しっぱなしにしている。7時の『シャキーン!』で始まり、『みいつけた!』と同時に小学生は家を出、『いないいないばぁっ!』のエンディング後にはチビたちを連れて保育園に向かわねばならぬ定め。
うっかり『えいごであそぼ』が始まってしまうと「やばい」。だから春の番組改編時は恐怖に苛まれる。時間感覚が狂うから。
いつだか『おかあさんといっしょ』と『いないいないばあっ!』を入れ替えられた時には、正直しばらく立ち直れなかった……。
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さて、以上はマクラ。本題に入ろう。
……そう。毎朝が修羅場……ゆえ、「流しっぱなし」のETVを筆者は耳で「聞いて」いるだけで、実のところほとんど画面を見たことが無い。
子どもたちが必要以上に見入ってしまっても困る朝のETVって、ぶっちゃけ音声だけで良いんだよなあ~と思っていたりも、する。
『シャキーン!』の「おべとも学園」以外、音だけでもだいたい中身も分かるし。まあ内容を頭に入れなければいけないというワケでもないので、まあなんとなく漠然と聞こえているだけでいいのだ。
ある時、そんな「耳で漠然と聞いているだけ」の番組の中、不思議と気になるコーナーが始まった。それは『おかあさんといっしょ』の中で放映されている着ぐるみ人形劇、「ポコポッテイト」だった。
着ぐるみ人形劇の存在だけなら、大昔から連綿と続いているわけであり、特に目新しいものではない。しかしこの「ポコポッテイト」。ふっと耳に入ってくる会話が妙に引っかかる……ありていに言えば、「すっげーイラつく?」(笑)。

そう気づいた後しばらくして、イラつくポイントが明らかになってきた。まず、牛だか羊だかわかんないメインキャラクターの一人(人じゃないけど)「メーコブ」が何かしら話し出すと、筆者は漏れなく不快になることを自覚したのである。
っていうか、そもそも何こいつ? 二言目には「このぶち模様は名門ジャコブ家の伝統のしるし、何を隠そう僕はヒツジのプリンス『メーコブ』だー!」
……って知らねえよそんなの。すぐ「モ~(無理!)」とかってヘタレるし。イラ~。
しかして、メインキャラである残りの2名(何の生き物かよく分からない「ムテ吉」と、明らかに猫っていうかコテコテ猫顔の「ミーニャ」)の言動も、まるでいただけないことに、段々と気付いてゆく。
「ムテ吉」の決め台詞?「今日もごきげん元気、ムテキのムテ吉だーい!」からも滲み出ているが、ムテキな余りにコイツは人(じゃないけど)の話をほぼ聞いてない。独善的で空気読まない。自信過剰でウザい。
紅一点「ミーニャ」は言動がいつも斜め上。なにかっていうと「にゃんかわいい!」とか言い、ひたすら“女子性”の押しつけでもって無神経な男どもを蹂躙する。いわゆる女に嫌われるタイプの女。これも相当ウザい。
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37歳母がこんなふうに毎朝ストーリーを聞きながら、一人イライラしているのをよそに、1歳&5歳女児はフツーにこの着ぐるみ人形劇を楽しんでいる様子。少し拍子抜けというか意外な印象を受ける。
ちっちゃい子どもはこれ、イラッと来ないんかね? 長姉9歳児はたまに再放送を見ると、「こいつバカだー!」「ありえねー!」とか絶叫して、イライラを表明しているんだけど。ハテハテ。
まあそんなあんばいで数ヵ月。つい先日、「あっ!」と、突然に筆者は合点した。
あの「ムテ吉」のパワフルな鬱陶しさ、「ミーニャ」の胸焼けする女子性、「メーコブ」の誇りとヘタレの同居……。
これらすべて、「子どもという存在に良くある“ヤな感じ”のリアルで“ド”ストレートな拡大像ではないか!!!」ということに、漸く気付いたのである!!!
筆者の家には女の子が3人いるため、あの「ミーニャ」の言動にだけは、メチャクチャ「リアル」な既視感が存在する。
上の娘が2歳を過ぎたころか、妙に己の女子性に目覚めたが如く、「かわいい」服に固執しだしたことがあった。
袖を通したいのは、ピンク、フリル、レースが付いた服だけ。挙句、「これはラブだからいい!」「これはラブじゃないからイヤ!」という謎の選択基準に従って、身の回りのあらゆるモノを選り分け出し、大変面倒な思いをした(母が)。
お尻にオムツを装着しているくせに、保育園に着て行く服を選ぶのに40分を費やしたこともある。「今の気分じゃない」のがその理由で、「お前いったいどこでそんなコダワリ習って来たんだい?」と途方に暮れた。
実に「ミーニャ」じゃないか! この女子め。
「あぁ、ウザいキャラクター設定も、“子ども”なんじゃー仕方ないな~」と(まあ最初からキャラたちは幼児設定なんだが)気づいて以降は、それほどイライラしないで毎朝「聞ける」ようになってきた、今日この頃である。
でも「アレが大人だったら許せないレベルだけどな~」。
我が身を振り返る意味で、踏絵として。「ポコポッテイト」、皆様もぜひ一度、ご笑覧あれ。
・げんきの絵本 ポコポッテイト はじめての シールえほん プチ
![]() | 藤原千秋 大手住宅メーカー営業職を経て2001年よりAllAboutガイド。おもに住宅、家事まわりを専門とするライター・アドバイザー。著・監修書に『「ゆる家事」のすすめ いつもの家事がどんどんラクになる!』(高橋書店)『二世帯住宅の考え方・作り方・暮らし方』(学研)等。9歳5歳1歳三女の母。 |
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