STFU, Parents」( http://www.stfuparentsblog.com/ ) というサイトがアメリカで注目を集めている。”STFU”とは、相手をののしる時に使われる、”shut the fuck up”を略したネットスラング。汚い言葉で恐縮だが、日本語に訳すと、「黙れ、クソ親ども」ぐらいのニュアンスだろうか。


“子なし”女性のブレア・コーニングさんが3年半前に立ち上げたこのサイト、Facebook(以下FB)上の目に余る“親バカ投稿”を、名前の一部を隠して晒してしまうという、なんとも過激なもの。

当初は、コーニングさん自身や友人たちのFBウォール上で見られた投稿が中心だったが、ネット上で人気が広まり、今では毎月数百人の読者たちが、「こんな親バカ投稿見つけました!」と報告してくるのだとか。

【トイレ関連】【妊娠関連】【ママの事件】【ママの災難】【甘やかされたガキ】などの20ジャンルに親バカ投稿を分類し、それぞれの投稿につけられた毒舌満載のコーニングさんのコメントが大人気で、書籍化も決まったほど。

例えば、【トイレ関連】には、「今日で娘の下痢、5日目」、「お風呂で娘がウンチしちゃった。かわいいウンチ、素手で処理しました」「今日初めて、娘がトイレでウンチしました。すごくうれしい!」など、ウンチ、おしっこにまつわるエピソードや、トイレトレーニングの一部始終を報告する投稿だらけ。それらの投稿に対して、「いいね!」「かわいい~」などとするコメントも含めて、コーニングさんが鋭いツッコミを入れているが、中にはウンチそのものの写真なども……。


こうした、我が子かわいさのあまり、子どものプライバシーを開けっぴろげに公開したり、不特定多数の目に触れる投稿について無警戒、無責任すぎる親たちをネタにしつつ、問題提起をしていくことがサイト設立の目的だ、とコーニングさんはメディアのインタビューに答えている。

【妊娠関連】ジャンルには、胎児のエコー写真をアップした投稿が、“親バカの第一歩”として多く報告されているが、コーニングさんはサイト上で、エコー写真はFBに載せていいものなのか、控えるべきなのかの議論も呼びかけている。


たとえば、雑誌『たまごクラブ』なんてエコー写真のオンパレードで、妊娠・出産経験者にとってはごく見慣れたもの。しかし、子どものいない人にとっては、ふと開いたニュースフィードにエコー写真が載っていたら、ぎょっとするかもしれない。

筆者のFBも、娘の話ばかり……。実際問題、子どもがいる身にとっては、子育てが生活の中心であり、最大の関心事ではあるのだけど、必ずしもみんなが子持ちではないFBの世界。2013年4月に発売予定の書籍版「STFU, Parents」、FBでシェアしていいこと、すべきでないことのガイドブックとして、買っておこうと考えている。


恩田 和(Nagomi Onda)恩田 和(Nagomi Onda)
全国紙記者、アメリカ大学院留学、鉄道会社広報を経て、2010年に長女を出産。国内外の出産、育児、教育分野の取材を主に手掛ける。2012年5月より南アフリカのヨハネスブルグに在住。アフリカで子育て、取材活動を満喫します!