女優の小雪が第二子を出産した、韓国の「産後調理院」が話題になっている。改めて、産後調理院とはどのような施設なのか?

産後調理院は、出産を終えた女性の体の回復を専門的にサポートする民間の施設で、約10年前から韓国で普及し始めたという。約2週間から1ヵ月の間、専門の看護師が24時間体制で赤ちゃんの世話に対応してくれるので、母親は出産でダメージを受けた体の回復に専念できる。韓国では出産した女性の約40%が利用しているそうだ。

産後調理院にかかる費用は、一般的に1週間で10万円ほどだが、最近では高級なサービスも増えてきている(ちなみに小雪は2週間で60万円のVIPルームに滞在したという)。

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2011年に韓国内の産婦人科を訪れた外国人は約2万人。その内約1割が日本人だそうだ。出産費用が安く済むのが一因だというが、産後調理院の存在も大きいといえよう。

産後調理院に対してネットの反応は、
「家族も一緒に泊まれたり、食事の質も良く、母乳の指導もしてくれるなど、必要と思われるケアが多いから好評なのだろう。安価であることも大きい。安全で言えば日本で産むのが一番だが、学ぶべきところもある。」

「産後半年で保育園に入れないと仕事と両立できないという現状では、産後しばらく母体を休ませることは選択できないし、しづらい状況。」

「日本の産婦人科では産後のケアが軽視されていると思う。産後うつなどの認知も最近まで低かった。」

「日本ででも初めての出産は怖いのに、海外で、となるとなおさらハードルが高い。何かあった時にすぐ対応できない不安もある。産後間もない赤ちゃんを飛行機に乗せるのも心配。」

「日本には産褥ヘルパーというものがあるが、料金が高い上に家事がメインで肝心の育児に関するケアが充実していない。日本に産後ケアの充実した施設ができたらぜひ利用したい。」

「実家に里帰りできず、産んだ直後も上の子も面倒見て家事もしなければならない母親には大いに魅力的。ただ、言語も習慣も違う外国で命を預けるのは不安。」

……と、言語に対する不安はあるものの、施設のコンセプトについては好意的に捉えられているといえよう。

日本でもこのような施設は存在するが、施設の規模が十分でないばかりか、認知度も低い。これを機に、今後日本でも産後ケアの充実した施設が増えていくことが望まれる。