「ガラスの天井」――。
女性や人種的マイノリティが、組織内でどんなに努力しても、決して破ることのできない、見えない障壁のこと。女性のキャリア形成、昇進を阻む社会的要因として使われることの多い、経済用語である。


英エコノミスト誌が今月8日の国際女性デーに合わせて、この「ガラスの天井ランキング」を発表した(http://www.economist.com/blogs/graphicdetail/2013/03/daily-chart-3)。サブタイトルは、「先進国の中で、働く女性にとってベストの国はどこか」。つまり、ガラスの天井が存在しにくい=女性が働きやすい順のランキングで、トップは、ニュージーランド。ノルウェー、スウェーデンと北欧諸国が続き、カナダ、オーストラリアがトップ5に入った。

日本は、調査対象26ヵ国中、25位。ワーストは、韓国だった。

ランキングは、OECD(経済協力開発機構)が公表しているデータを基に、エコノミストが独自に分析。1:高等教育を受けた男女の数 2:女性の就業人口 3:男女の賃金格差 4:管理職に就いている女性の割合 5:平均賃金に対する保育コストの割合 の5つの指標を使ったが、働く女性すべてに子どもがいるわけではないので、5の比重は1から4に比べて低く計算している。

トップのニュージーランドはすべての項目でハイスコアを記録。フィンランドは教育実績でトップ、スウェーデンは女性の就業人口の多さがトップ。スペインは、男女の賃金格差が6%と最も低いことが評価され、全体で6位に入った。

日本と韓国は、女性の管理職が他国に比べて圧倒的に少なく、ワースト2に沈んだようだ。

ランキングは、以下の通り。

1.ニュージーランド
2.ノルウェー
3.スウェーデン
4.カナダ
5.オーストラリア
6.スペイン
7.フィンランド
8.ポルトガル
9.ポーランド
10.デンマーク
11.フランス
12.アメリカ
13.ベルギー
14.ハンガリー
15.アイルランド
16.スロバキア
17.イスラエル
18.イギリス
19.オーストリア
20.ドイツ
21.ギリシャ
22.イタリア
23.チェコ
24.スイス
25.日本
26.韓国


恩田 和(Nagomi Onda)恩田 和(Nagomi Onda)
全国紙記者、アメリカ大学院留学、鉄道会社広報を経て、2010年に長女を出産。国内外の出産、育児、教育分野の取材を主に手掛ける。2012年5月より南アフリカのヨハネスブルグに在住。アフリカで子育て、取材活動を満喫します!