現在インド在住の筆者。
インドと聞いて、カレーや象と同時に算数を思い浮かぶ人も少なくないと思われる。実際にインドに引越しするというと、「算数(計算)が強くなりそうだね」と良く言われたものだ。

「そうだ! こうなったら小学生の娘にインド式計算を覚えさせよう!」そう思ってあらゆる小学生用の算数の教科書を探してみたが、見つからない。どこだ!?インド式計算!

ネットや口コミなどで探してもインド式計算を教えてくれる塾には出会えず。
さらに街角で目につくのは、KUMON(公文)やABACUS(そろばん)の文字。インド人の算数教育は、むしろ公文式やそろばんといった日本発の教育に支えられているの?

実際にKUMONに行って、私が日本で買った本で学んだインド式計算を披露してみた。
「このような算数を教えてくれますか?」と聞いてみけれど、結果は、「KUMONは世界共通、同じメソッドです。そのやり方は見たことがありません」とのこと。わかっていた結果とはいえ、インド式への期待は的外れだったことがわかり断念。

インターネットで調べてみると、私が知っているインド式の算数の解き方のひとつが、なんと「日本式算数」として書かれていた。

日本では「インド式」と言われている方法が、インドでは「日本式」と言われているのはどういうこと?

さらに調べてみると、これらの計算方法は、「ヴェーダ数学」というインドの古い文明の経典であり、あまりに古来すぎて現代の人はほとんど知らないということ。近年日本でこれが話題になったことにより、インドに逆輸入?されていたようだ。

インド式計算を勉強できるぞ!と意気込んでいたのに、小学1年生でインドに来た娘も、いまや4年生。インド式の算数教育は古代すぎて、現代のインド人はほとんど知らないとようやく気づいた。

……もう遅いわ。
日本に帰国してからインド式計算を勉強させようか、それともインドで日本式のKUMONをやらせようか。

How Japanese kids learn to multiply in primary school [9gag.com]
http://9gag.com/gag/6050442

▼関連アーカイブ
アフリカでも「KUMON」!公文の世界戦略成功の秘訣
http://mamapicks.jp/archives/52100286.html


川口 由美子川口 由美子
ライター、管理栄養士。著書「アレルギーっ子の簡単毎日レシピ100(青春出版社)」の他、雑誌やWEBで離乳食や幼児食などの家庭的レシピを紹介。All About「離乳食」等ガイド。夫の転勤に伴いアジアを転々としながら現地人に根付くアーユルベーダや漢方などを学ぶ。個人事務所「Food-Medi」を運営。9歳娘と3歳息子の母。