12月になり、年賀状の作成、大掃除、帰省の準備など、TO DOリストが盛りだくさんになってきたが、どの家庭もやはり、クリスマスどうする?何する?と、気合いが入っているのではないだろうか。

我が家ももちろん例外ではない。しかも12月は娘の誕生日もあるので、気合は2倍どころか二乗だったり。


しかし12月生まれというのはクリスマスとの重み付けをどうするかが大きな課題であり、娘が生まれたときから我が家ではずっと議論が続いている。
別々にお祝いする?まとめてしまう?ケーキは2つ買うの?プレゼントは?

クリスマスに限らず、その他の祝日をはじめ、夏休みや冬休みなどの休暇期間と誕生日が重なるパターンっていうのは結構多いんじゃないかと思っている。日本は比較的祝日の多い国だし。

じつは私もその一人で、誕生日は正月。「おめでたいねー!」と言われ続けて早や30数年だが、当人としてはおめでたいのか何なのかよく分からないままここまで来てしまった。

小さいときから繰り返し質問されてきたことに、「誕生日プレゼントとお年玉って一緒にされてたの?」というのがある。

答えはYESでもなければNOでもないという感じ。
我が家は親からお年玉をもらう習慣がそもそもなかったのだが、当時、正月はまだデパートやおもちゃ屋さんなどが開店していないことが多く、「またお店が始まったらプレゼント買ってあげるね」と言いくるめられて、何だかうやむやになってしまうことが多かった。

逆に年末のうちに誕生日プレゼントを買ってもらえることもあったり、毎年イレギュラーで、誕生日当日にお祝いをした記憶はあまりない。

ついでに言うとケーキ屋さんも休業していることが多い時期なので、今は亡き祖父が必死でケーキ屋さんを探して買ってきてくれたのが、プチケーキの詰め合わせ。誕生日の私は特別に2つ食べさせてもらえた。

今でこそ正月から営業しているケーキ屋さんも増えたし、コンビニやスーパーでもケーキが買える時代だが、久しぶりにあのプチケーキが食べたいな、なんて思い出に浸ったりしてみた。

そんな甘酸っぱいような苦いような経験が多かった私なので、娘の誕生日はどうしてもクリスマスとは分けてお祝いをしたいと考えている。

しかし、立て続けにお祝いをするのはネタを考える方としても結構悩まされる。祖父母からもプレゼント何を贈ろうか?とリクエストを聞かれているし、更にTO DOリストが積み重なっていく。

もちろんようやく1歳になる娘の記憶にはほとんど残らないんだろうけど、ちゃんと初めての誕生日祝いも初めてのクリスマスも盛大にやったんだよ!と後々教えてあげたくて。

これってもしや過剰なエゴ、自己満足すぎる?と思い、同じように「誕生日とイベント事が重なっている」友人に、自身の誕生日に対する考えをヒアリングしてみた。

ちなみに2人とも男性である。

一人目は5月5日、こどもの日生まれのK氏。しかも間もなく1歳になる娘さんは1月1日、元旦生まれ!

こどもの日はゴールデンウィーク(以下GW)ど真ん中なので、学校で「今日、俺の誕生日!」みたいなことを言う機会はなかった。
でも小学校の頃は毎年友人を何人か招いて必ず誕生日会をやっていた記憶があるので、GWの前後にやっていたのだと思う。毎年、GWで世間が浮かれている時期が誕生日だから、特にその日に記憶に残るような経験をしたことはないけれど、自分の誕生日には何となく楽しそうなイメージは持っているし、逆に「普通の日」が誕生日の人の感覚がどんなものなのか知りたいくらい。

元旦生まれの娘に関しては親としては子の誕生日にかこつけて、正月をより盛大に祝う口実ができるので、「なかなかいい日に生まれてくれたなあ」と勝手に思っているよ!


……素敵すぎてKさん家の子になりたいと思ってしまった。
もう一方は4月1日生まれのF氏。

4月1日は、春休み中ってこととエイプリールフールが大きなネガティブイベント。
友だち連中からのお祝いなどは、小学生の時からあきらめてたかも。誕生日会は呼ばれるばっかりだったからちょっと憧れだった。
中学、高校になると「今日誕生日!」というと、エイプリルフールに引っ掛けた嘘だと思われるのが面倒で、あえて言わなくなったりしたけど、大学、社会人くらいになると、4月1日という珍しさから、誕生日を覚えてもらえて、逆におめでとうと言ってもらえたり、祝ってくれるような機会が増えた。

だけど自分自身が誕生日を意識する以上に、父親が社会人になった今でも、誕生日には必ずケーキを作ってくれて取りに来いと言う(実家が洋菓子店)。

もう、いい大人なんだから……。と思ったこともあったけど、自分も親になり、子どもを育てる大変さを感じ、子どもの成長を素直に喜べる環境を得てからは、「何歳になっても親は親で、子の成長を願っているのだなぁ」と、本気で理解ができるようになった。
だから、親に対しては毎年祝ってくれることに感謝をしているし、自分の子どもには親の想いをわかってくれようが、くれまいが、どんなにうざがられても、誕生日のお祝いはしてやろうかなと思っている。


……こちらも素晴らしすぎて文句のつけようがない。私もお父さまの作ったケーキが食べたいです。

こうして娘の誕生日を指折り数えながら、自分の誕生日よりも子の誕生日の方がずっと重要な日になったのだなと思うと、私もちょっとだけ親っぽくなってきたんじゃ?という気分。それ以上に、時間の経過が年単位になっていく高速っぷりにも眩暈しそうになっているが……。

時間ばかりが過ぎていかないようTO DOリストにそれぞれの期限も追加して、随時メンテナンスする日々である。

真貝 友香(しんがい ゆか)真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。