去る3月に「Eテレ新年度『ゆく番組くる番組』2014」と題して番組紹介をお送りしましたが、今回はNHK Eテレ(以下・Eテレ)4月クールの新番組、ならびに既存のレギュラー番組の注目点をレビューしようと思います。

■キミはもうマスターしたか? 「ブンバ・ボーン!」の破壊力


(『おかあさんといっしょ』月~金8:00~8:24 ほか)

既報のとおり、3月31日の放送から『おかあさんといっしょ』の体操がリニューアル。「ブンバ・ボーン!」に変更になりました。よしお兄さんの衣装もちょっとだけリニューアルしていましたね。
途中で曲のテンポがめまぐるしく変わるメドレーのような構成は、「ぱわわぷたいそう」以前の体操曲に近く、全体的に原点回帰した印象があります。

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ちなみに『NHKのおかあさんといっしょ』5月号(講談社)のとじこみふろくは、
「ブンバ・ボーン!ポスター」。歌詞つきだそうです

曲のイメージはアフリカンダンスだと思うのですが、コング桑田さんが“つのだ☆ひろと子門真人と串田アキラを足して3で割ったような声”で歌う♪ブンバボン ボンボ ブンバボン!の部分から、腰ミノ一丁で踊るよしお兄さんと「よしお兄さんがぁー、村人とぉー、出会ったぁー」というナレーションが浮かんでくるのは私だけでしょうか……。

ちなみに作詞は谷口國博さん。この方、『おかあさんといっしょ あつまれ!土曜日』のダンス曲「でかけよう」を作詞・作曲・振り付け、「たにぞう」名義で弘道お兄さんとのコラボや、『おかあさんといっしょ』の歌「ブラブラせいじん」の振り付けも担当されているとのこと。「ブンバ・ボーン!」の振り付けも「teamたにぞう」と書かれていたので同一人物と思われます。

さて、注目すべきは歌詞の破壊力ではないでしょうか。
「パンダのおめめがつけまつげ!」のくだりにきゃりーぱみゅぱみゅ、「とかげ!からの ブンバボーン!」のあたりにザキヤマ(アンタッチャブル山崎)の影がチラリと見えつつも、みなさんが気になっているのはやはり「アルパカ」のくだりかと思います。

「♪アルパカ パカパカ ちょっとオカピ」

この部分が脳内でループするうちに、軽いトランス状態になってきませんか……?
何回考えてもわからない“ちょっとオカピ”の意味については、ブルース・リーなら「考えるな、感じろ!」と言うことでしょう。

ところで、アルパカはCMなどで最近おなじみの動物となりましたが
……そもそも「オカピ」ってなんだろう……?

拝啓、オカピ様。
不勉強で申し訳ありません。私の中でこのような疑問が出てきたのでさっそく貴殿のことを調べさせていただきました。

【オカピ】(学名:Okapia johnstoni  英名:Okapi)
鯨偶蹄目(クジラ偶蹄目) キリン科

オカピとは、先住民族であるピグミー族の呼び名で「森の馬」を意味する言葉。20世紀に入ってからその存在が確認された珍しい動物である

……キリンの仲間だったのですね!

日本では、横浜市のよこはま動物園ズーラシアが3世代繁殖に成功しているそうで、そのほか上野動物園でも見ることができるようです。

ちなみに、番組で使われているオカピのイラスト、ちょっと、よしお兄さんに似ていませんか……?


「ぱわわぷたいそう」のときも、初期の映像を見ると終盤のものとは掛け声のタイミングが異なっており、試行錯誤の上9年かけてでき上がったものだったのだなあと感じました。まだ日によって、よしお兄さんお得意の“変顔”のポイントや掛け声を変えているように見えるので、これもまた回を重ねることに完成されていくのでしょう。

個人的には「♪トンネル ポッポー!」の部分のブリッジのような振り付け、ファミリーコンサートではどうするんだろうというのが気になっているので、後日NHKホールで確認して来たいと思います。

■4月スタートの新番組


続いては4月スタートの新番組についてです。

●ゆかいなおまわりさんコメディ! 『さんすう犬ワン』

小学校低学年向け算数番組『さんすう犬ワン』。(毎週月9:10~9:20 ほか)

スギちゃん演じる、いばりんぼうな巡査キュウベエと、その部下のテンコちゃん、警察犬ワンの“2人と1匹”が、謎の怪人・カズラーの起こした街のトラブルを解決する……というもの。

クライマックスになると、現場に急行したテンコとワンに、キュウベエからテレビ電話が入るのです。それが事件解決のヒントにもなる(こともある)のですが、2回分見て気づいたことがあります。

――スギちゃん! 指図だけで何もしてないよ!

ちなみに、スギちゃんはかつて「メカドッグ」というコンビで活動していたのですが、犬に複数回かまれたことがコンビ名の由来なのだとか。
……“ワン”とはぜひ、仲良くしていただきたいと願ってやみません。


●“あたりまえ図工”流行の予感 『キミなら何作る?』

つづいて、去年のパイロット版も話題になった、COWCOW出演の小学校高学年向け図工番組『キミなら何作る?』。(毎週水9:10~9:20 ほか)

図工が得意なCOWCOW山田善しといっしょに、COWCOW多田、うぶちゃんの3人が、毎回いろんなものを作っていきます。道具の使い方などを説明してくれる「あたりまえ体操」の図工バージョンは必見です。ここに来て「あたりまえ体操」が小学生の間で再燃するかも?

初回、絵を描くなかでのフィンガーペイントなど、「どんな風に作ったっていいんだ、ただ、やり方のヒントはいろいろ教えてあげるよ」というスタンスが心地よく感じます。

つい子どものお絵かきに口を出してしまいがちな自分を省みて、もうちょっと自由にやらせようかな、その代わりヒントをいろいろ出して、あとは様子を見よう。そんなことを思ったのでした。高学年向けではありますが、幼児に見せても面白いのではないかと思います。


●コントで覚える日本語!? 『ことばドリル』

Eテレで放送中の人形劇『銀河銭湯パンタくん』を手がける劇団「ヨーロッパ企画」のメンバーで構成されているこちら、小学校低学年向け国語番組『ことばドリル』。(毎週月9:00~9:10 ほか)
Eテレ子ども向け番組にしては珍しく、スタジオパートを「コント劇」と言い切っているのも新しい感じがします。

「カタカナのシとツって似ているよね」
「かなづかいって間違えやすいよね」
といった、大人でもうっかり間違えていそうな内容をわかりやすく、面白く教えてくれます。

探検隊のトリオコントが2回とも出てきているので、今後レギュラー化する予感がしますが、ドリフの探検隊コント(『8時だョ!全員集合』より)を思い出すアラフォー筆者なのでありました……。

そして、進行役のアニメキャラ“ドリルくん”の声をつとめるのは、タレントのかとうけんそう(加藤賢崇)ということで、サブカルお母さん的にも注目のキャスティングとなっております。けんそうさんの歌も聴けちゃいますよ!


なお、上記3番組は学校向け番組「NHK for School」となるため、いずれも公式サイト上で本編をまるごと視聴できます。

■おかえりなさい! シーズン2特集


●『銀河銭湯パンタくん』(毎週金9:15~9:25)|小学校低学年向け・道徳

今年度はリピート放送なのかと思っていたところ、後期に新作が放送されることが判明しました。昨年度末に放送された『ざわざわ森のがんこちゃん』とのコラボ回も記憶に新しいですが、第2シーズンも“どのあたりが道徳的な内容なのかをつい忘れてしまうほどのストーリー展開”に期待です。


●『ムジカ・ピッコリーノ』(毎週土8:25~8:35)|小学校低学年向け・音楽

ファーストシーズンの最後に「ムジカ・アカデミー」に入学したアリーナ(斎藤アリーナ)が、いろいろあってピッコリーノ号に戻ってきちゃうという展開で、メンバー変わらずの再スタート。クラシックからモータウンサウンドにインド音楽まで、あらゆるジャンルの演奏シーンが見ものです。

また、この4月から公式サイト上に前回のお話が掲載されるようになり、曲目とモンストロの名前(あったのですね!)が見られるようになっています。

今シーズンではROLLY司令官とピッコリーノ号メンバーのセッションが見られるのでしょうか? ゲストに誰がやってくるのかも楽しみなところです。


●『Eダンス☆アカデミー』(毎週金18:55~19:25 ほか)|小学生向け・ダンス

新たに第二期生の“二代目E DANCE KIDS”を迎え、講師陣は変わらずでスタートを切った『Eダンス☆アカデミー』シーズン2。今回のレッスンではEXILE『I Wish for You』の振り付けにチャレンジしています。

前回同様、生徒陣にメガネ男子と体の大きな腕白ボーイは健在! こういう、一見ダンスはうまくなさそうな子たちがメキメキ上達していくところにドラマがあると思うのです。

なお、一番最後の『EXダンス体操』には、E-girlsからSAYAKAとYURINO。GENERATIONS from EXILE TRIBEからは関口メンディー、中務裕太が参加しています。ファンの方は必見です!

……正直、息子が番組にハマるまでEXILEにはさほど思い入れもなかった筆者でありますが、付き合いで見ていたこちらが1曲踊れてしまうほど、丁寧に教えてくれている印象があります。

この番組も公式サイト上で動画を見ることができるので、おうちの方も一緒に踊ってみてはいかがでしょうか。肩こりの解消になるかもしれませんよ!


ちなみに運動系番組では、森末慎二の『はりきって体育』以来17年ぶりの体育番組、“ICT体育授業”を掲げ、異例の10月スタートとなる『はりきり体育ノ介』も気になるところです。


ほかにもご紹介したい番組情報はたくさんあったのですが、今回はこの辺で。またお会いしましょう!

ワシノ ミカワシノ ミカ
1976年東京生まれ、都立北園高校出身。19歳の時にインディーズブランドを立ち上げ、以降フリーのデザイナーに。並行してWEBデザイナーとしてテレビ局等に勤務、2010年に長男を出産後は電子書籍サイトのデザイン業務を経て現在はWEBディレクター職。