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アメリカの10月最大のイベント、ハロウィーンまで、残すところ2週間あまり。

アメリカではパンプキン・パッチ(飾りにするパンプキンを選ぶ畑)やおばけ屋敷などのイベントが始まっており、お店ではトリック・オア・トリート用の大きな袋詰めのお菓子、種類もサイズもさまざまなパンプキン、子ども用から大人用のコスチューム、家の内外のデコレーションなど、ハロウィーン関係の商品が大きなスペースを占めている。

幼い子どものいる家族なら、ハロウィーン当日はやはりホームパーティーとトリック・オア・トリートといったところ。こだわりな人たちはクリスマス並みに(またはそれ以上に!)家の内外の演出に余念がないので、それを見るのが私の楽しみなのだが、やはり子どもにとっての最大のお楽しみは、昼間はモールや街中の店、夜間は住宅地での「トリック・オア・トリート!」でお菓子をもらうこと、そしてコスチュームを着ることだろう。

そんな折、『Frozen(=邦題:アナと雪の女王)』が大好きという3歳の男の子が、「エルサ」のコスチュームを選び、父親がそれにあわせてアナになることにした、というFacebookのポストがシェアされ、賞賛の嵐が巻き起こっているというニュースが出てきた。

Anyone that knows us, knows we generally let Caiden make his own choices, to an extent. Well, he has decided on a...

Posted by Paul Henson on 2015年10月4日

【参照記事】This Kid's Mom And Dad Win Parents Of The Year For His Halloween Costume
http://www.huffingtonpost.com/entry/this-kids-mom-and-dad-win-parents-of-the-year-for-his-halloween-costume_56147b3ee4b0cf9984d79fb5

そもそも子どもの意思をできるだけ尊重する子育てをしている、という父親のポールさん。試着室で青いドレスをシースルーの布でカバーしたコスチュームを着た息子のケイデン君は満足げだ。

しかし、その後に出てきた記事によると、ポールさんがアナになることはポールさん自身が提案したらしい。ケイデン君が友だちに、「エルサはだめだろ。女の子のじゃないか」と言われガッカリしていたので、「じゃあ、お父さんにアナになってほしい?」と聞いたところ、ケイデン君の顔がパッと明るくなったという。

【参照記事】Little Boy Dressed in Elsa Costume Goes Viral
https://www.yahoo.com/parenting/little-boy-dressed-in-elsa-costume-goes-viral-164651012.html

普段からジェンダーのステレオタイプを打ち破ろうとしているというポールさん、ネガティブなコメントは一切無視。

「誰がなんと思おうがかまわないんだ、楽しめばいいんだよ、と子どもに教えたい」。

―― こうした周りの価値観と自分の価値観、周りが自分に期待することと自分がやりたいことなどの間で苦しむことは、これからいろいろな場面で出てくるだろう。今回は題材がたまたまハロウィーンのコスチュームだったが、子どもが周りの価値観や期待のせいで自分に自信を持てなくなっているとき、親としては全面的にサポートしてあげたい。私もそうしてもらったし、そのおかげで今があると思っている。

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さて、我が息子もコスチュームを考え始め、あれこれ悩んだ挙句、「レゴになりたい!」と宣言した。そんなコスチュームもあるのかなと検索してみたところ、ヒットしたのはDIYのサイトで、親の渾身作がずらりと並んでいる……。

ポールさんほどではないが、私も息子のためにがんばってみるか。

大野 拓未大野 拓未
アメリカの大学・大学院を卒業し、自転車業界でOEM営業を経験した後、シアトルの良さをもっと日本人に伝えたくて起業。シアトル初の日本語情報サイト『Junglecity.com』を運営し、取材コーディネート、リサーチ、ウェブサイト構築などを行う。家族は夫と2010年生まれの息子。