第二子の出産があと間もなくに近づいた私は、ようやく重い腰をあげて、新しく迎える家族のためのスペースを捻出すべく、「断捨離」を敢行中である。


我が家は第一子が女の子で、次に生まれてくるのは男の子の予定。
まずは、「第二子を授かったら着られるかもしれない」と取っておいた洋服から着手しているが、その膨大な量に驚愕した。初めての子どもが女の子だったということが影響したのか、とにかくとんでもない量の洋服が出てきてしまい、なかには「何回も着てないかも……」というものも。

なぜこのようなことに至ったのか考えてみると、我が家には「いずれ子供部屋=いまは物置場」という大きなスペースがあるため、「いつか使うかも~」という荷物を手放しにくい、構造上の問題があると気づいた。

とくに幼児期は洋服のサイズアウトが頻繁に起こるため、「いつか着るかも」という活用機会が未知数の負の遺産が、数年に渡って蓄積してしまったようだ。

しかし、次にくるのは男子。リボンのついたピンクの洋服は無理なので、その負の遺産の選別は意外と難しくなかった。

以前なら、不要な洋服は恥ずかしながら燃えるゴミで捨ててしまっていたが、今回は何せ「1ヵ月間しか着ていない」「数回しか着ていない」という代物も含まれるため、ちゃんとリサイクル活用を検討した結果、以下のサービスを利用することにした。

古着deワクチン
http://furugidevaccine.etsl.jp/

不要になった洋服・靴などが、発展途上国でリサイクル販売され、その売上は発展途上国内での子どもへのワクチン投与につながるという企画である。

こちらがユニークなのは、事務手数料を寄付する発想で、提供者がダンボール1つ分の発送伝票に1000円を支払う仕組みであるが、リクルートの「赤すぐ」で購入すると、同サイトで使用できる同額分のクーポンがもらえるので、費用負担は実質ゼロ。(※ただしクーポン利用期限は発行後1ヵ月まで)

古着deワクチン【赤すぐ】
http://akasugu.fcart.jp/g1M7A010101/

リサイクルしたい洋服はダンボールに詰めて発送すればよいだけなので、私のような「一度に出る量が半端ない」というイベント型の断捨離族には、とても相性のいいサービスだ。子ども服だけでなく、大人の洋服・靴もOKなので、ダンボールにはひっそりと自分の洋服たち(こちらもあまり着ていないものが多数でてきてしまった……)を忍ばせた。

イベント型ではなく、日々きちんと整理できる人には、店舗持ち込み形式になるものの以下のようなサービスもある。

全商品リサイクル活動|UNIQLO CSR
http://www.uniqlo.com/jp/csr/refugees/recycle/
→ユニクロおよびジーユーで販売した全商品が対象

CLOSE THE LOOP|H&M
http://www.hm.com/jp/garment-collecting
→どのブランドの服でも回収してもらえる上に1袋につき500円分のクーポンがもらえる
(※もらえるクーポンは1日最大2枚まで、3,000円以上のお買い上げ時に使用できる)


さて、「断捨離」という言葉の産みの親である、やましたひでこさんが某所で語られていた内容によると、「断捨離は片付け術ではなく、哲学。生き方そのものである」とのこと。たしかにおっしゃるとおり。

「いつか使うかも~」は、選択と決断を先送りしているだけ。将来の子供部屋を、「未解決と保留」の吹き溜まりにしてしまい、数年に一度、イベント的に片付けに取り組む……。なんだか、私自身の生き方の他の要素にも共通性を感じてしまう。

思い返すと、今から2年前の第一子誕生の際にも、大規模な「整理&処分」を実行した。気ままなDINKS生活で溜まりに溜まった「いつか使うかも~」を、ダンボールで実に20箱分くらいは処分した。

それまで10数年に渡り踏ん切りがつかなかったものたちを手放せたのは、「新しい家族が来る!」というきっかけが成せる技だったようにも思う。

今回の断捨離の開始時点で、2年前の断捨離が完全にリバウンドしてしまっていたわけではなく、多少のリバウンドは否めないが、基本的には「さらなるスリム化」である。今回は前回よりもさらに思い切って処分することができるようになっている自分に気づき、私自身の断捨離力も上がったように思う。

2年ぶりではあるが、第二子を授かったことで、また「断捨離」という哲学、自分自身の生き方に向き合うきっかけを得られたんだな、としみじみ感じる。「子どもができる」ということが、自分自身の人生に本当にさまざまな変化をもたらしてくれることを再確認した。

最近は、モノを持たずにシンプルに生きること、いわゆる「ミニマリスト」も流行ってきている。私も今後は、「所有することが富」という昭和生まれな価値観から、自分自身の選択力と決断力を上げつつ、「モノを持たない豊かさ」を実感できる人間にシフトしていきたい。

とりあえず、現在の「いずれ子供部屋」は、モノを置かずにシンプルな空間という景色を楽しめる場所にしたいと考えている。嗚呼、なんと贅沢な空間だろう。

森田 亜矢子
コンサルティング会社、リクルートを経て、第一子出産を機にフリーランスに。現在は、Baby&Kids食育講師・マザーズコーチング講師・ライターとして活動中。2才の長女と今春第二子が誕生予定のママ。