子ども向けプログラミングが注目され、「習い事」としてのスクールもこの1年で目立って増えてきました。2016年4月19日には、文部科学省が小学校でのプログラミング教育必修化を検討するとの発表があり、2020年度からの実施を目指して動き始めています。
さて、とはいえ、プログラミング教育っていったい何をやったらいいのでしょうか。
パソコン上でやるScratchなどの子ども向けプログラミングツールでどんどんプログラムを組んだり、組んだプログラムでロボットを動かしてみることなどをやる教室は増えてきています。
そんな実技と作業の積み重ねに飛び込む前に、「プログラミングならではの“ものの考え方”」を、もっと何か他の方法で体感できないものでしょうか? うんと自然な入門になりそうです。
とはいえ、肝心の「プログラミング的な思考」がどんなものなのか、プログラマーの頭の中がどうなっているか、なんて、ちっともピンとこないものです。
この「プログラマー的思考法」に真正面から取り組んだ、なんと「絵本」が出版されました。
これは、コードもパソコンもロボットもいっさい出てこないプログラミングの「絵本」です。「プログラマー的思考法」の基本に注目して、それがどんなものなのかを自然と感じ身につけられるように設計されています。
さて、とはいえ、プログラミング教育っていったい何をやったらいいのでしょうか。
パソコン上でやるScratchなどの子ども向けプログラミングツールでどんどんプログラムを組んだり、組んだプログラムでロボットを動かしてみることなどをやる教室は増えてきています。
そんな実技と作業の積み重ねに飛び込む前に、「プログラミングならではの“ものの考え方”」を、もっと何か他の方法で体感できないものでしょうか? うんと自然な入門になりそうです。
とはいえ、肝心の「プログラミング的な思考」がどんなものなのか、プログラマーの頭の中がどうなっているか、なんて、ちっともピンとこないものです。
■プログラムコードの出てこないプログラミングの絵本
この「プログラマー的思考法」に真正面から取り組んだ、なんと「絵本」が出版されました。
これは、コードもパソコンもロボットもいっさい出てこないプログラミングの「絵本」です。「プログラマー的思考法」の基本に注目して、それがどんなものなのかを自然と感じ身につけられるように設計されています。
前半は、ルビィという女の子が、パパからの手紙をもとにヒントを探しながら、5つの宝石を見つけるストーリーの絵本物語部分。

後半は、「自分でやってみよう!」のアクティビティパート。ストーリー中のシーンやキャラクターが登場する、クイズのような練習問題が出てきます。ここで、「プログラマー的思考法」がアクティビティとして展開されるのです。

例えば、
・短い指示の連続でひとつの作業を完了させること
・共通している法則を見つけること
など、頭の体操のような問題だったりして、「これのどの辺がプログラミング的なの?」と感じるかもしれません。でも大丈夫、問題ごとに大人向けの解説があり、そのアクティビティが、プログラミングやコンピューターのどんな特徴を示しているのかを説明してくれます。
ベースとなる「ものの考え方」に触れるのは、最初の一歩としてはとても大切なこと。「ルビィのぼうけん」のように「プログラマー的思考」を普通の言葉とシーンで表現しようとするのは、他の書籍や教材にはなかなかないアプローチです。
前半のストーリー部分は、若干、後半の練習のためのポイントで紡がれている印象もありますが、描かれるルビーの世界はなんだかとても居心地が良さそう。
どこかマイペースな印象のルビーは、独特のおしゃれな色使いと淡々とした絵で描かれ、子どもたちがすーっと共鳴して入り込んでいく魅力があります。

練習問題といっても、硬いものではなく、ゲームやクイズのように仕立てられていて、着せ替え人形のように、ネットからダウンロードして印刷して楽しめるアイテムも用意されています。
大人と子どもで一緒に読み進めるタイプの絵本で、アクティビティは対話型で進めるのがおすすめ。親子で「プログラミングがよくわからない者同士」、気軽に一緒に楽しんでみてはどうでしょうか。
5才から親子で一緒に読み進めることを想定して作られているとのことですが、小学校高学年でも中学生でも、初めてプログラミングに触れる人なら大人でも、十分楽しめる内容でしょう。
むしろ、絵本とはいえ、大人が自分のために読むこともおすすめしたいです。
「“プログラマー的思考”ってなんだろう?」とか、子どもにプログラミングを習わせるのってどうなのかな?と思ったことのある方は、きっと何かヒントを見つけられるはずです。
「え、そんなこと?」と拍子抜けする人もいるかもしれません。「こういう視点で世の中を見るのって楽しそう!」とワクワクする人もいるかもしれません。
はじめてプログラミングの世界に触れようとするときに、自分との接点がきっと自然に見つかるはずです。
面白いと感じてその先に進みたくなれば、厳しい(?)技術の習得も試行錯誤ももちろんあるわけですが……。
著者のリンダ・リウカス氏はフィンランドの出身のプログラマーで、子どもがプログラミングを学ぶ糸口となるような絵本が必要だと感じ、クラウドファンディングのkickstarterで資金を集めたそうです。このあたりもとっても「今」らしくて、プログラマーの世界の文化を垣間見るようです。
ちなみに、主人公の「ルビィ」という名前は、プログラミング言語「Ruby」そのもの。そんな設定ごと、プログラマーの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。
・『ルビィのぼうけん』特設サイト|翔泳社
http://www.shoeisha.co.jp/book/rubynobouken/

後半は、「自分でやってみよう!」のアクティビティパート。ストーリー中のシーンやキャラクターが登場する、クイズのような練習問題が出てきます。ここで、「プログラマー的思考法」がアクティビティとして展開されるのです。

例えば、
・短い指示の連続でひとつの作業を完了させること
・共通している法則を見つけること
など、頭の体操のような問題だったりして、「これのどの辺がプログラミング的なの?」と感じるかもしれません。でも大丈夫、問題ごとに大人向けの解説があり、そのアクティビティが、プログラミングやコンピューターのどんな特徴を示しているのかを説明してくれます。
■「考え方」に注目した意欲作
ベースとなる「ものの考え方」に触れるのは、最初の一歩としてはとても大切なこと。「ルビィのぼうけん」のように「プログラマー的思考」を普通の言葉とシーンで表現しようとするのは、他の書籍や教材にはなかなかないアプローチです。
前半のストーリー部分は、若干、後半の練習のためのポイントで紡がれている印象もありますが、描かれるルビーの世界はなんだかとても居心地が良さそう。
どこかマイペースな印象のルビーは、独特のおしゃれな色使いと淡々とした絵で描かれ、子どもたちがすーっと共鳴して入り込んでいく魅力があります。

練習問題といっても、硬いものではなく、ゲームやクイズのように仕立てられていて、着せ替え人形のように、ネットからダウンロードして印刷して楽しめるアイテムも用意されています。
大人と子どもで一緒に読み進めるタイプの絵本で、アクティビティは対話型で進めるのがおすすめ。親子で「プログラミングがよくわからない者同士」、気軽に一緒に楽しんでみてはどうでしょうか。
■非プログラマーの大人にこそ読んでほしい
5才から親子で一緒に読み進めることを想定して作られているとのことですが、小学校高学年でも中学生でも、初めてプログラミングに触れる人なら大人でも、十分楽しめる内容でしょう。
むしろ、絵本とはいえ、大人が自分のために読むこともおすすめしたいです。
「“プログラマー的思考”ってなんだろう?」とか、子どもにプログラミングを習わせるのってどうなのかな?と思ったことのある方は、きっと何かヒントを見つけられるはずです。
「え、そんなこと?」と拍子抜けする人もいるかもしれません。「こういう視点で世の中を見るのって楽しそう!」とワクワクする人もいるかもしれません。
はじめてプログラミングの世界に触れようとするときに、自分との接点がきっと自然に見つかるはずです。
面白いと感じてその先に進みたくなれば、厳しい(?)技術の習得も試行錯誤ももちろんあるわけですが……。
■著者はフィンランドのプログラマー
著者のリンダ・リウカス氏はフィンランドの出身のプログラマーで、子どもがプログラミングを学ぶ糸口となるような絵本が必要だと感じ、クラウドファンディングのkickstarterで資金を集めたそうです。このあたりもとっても「今」らしくて、プログラマーの世界の文化を垣間見るようです。
ちなみに、主人公の「ルビィ」という名前は、プログラミング言語「Ruby」そのもの。そんな設定ごと、プログラマーの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。
・『ルビィのぼうけん』特設サイト|翔泳社
http://www.shoeisha.co.jp/book/rubynobouken/
![]() | 記事提供:【ICT toolbox】feat.狩野さやか ICT toolboxでは、家庭や教育現場でICTツールを「適度に」「効果的に」使うアイデアをご紹介しています。子育ての当事者、制作の当事者(デザイン・プログラミング)としての現場の実感を大切にした記事を発信します。 http://ict-toolbox.com |
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