アメリカの夏休みの一般的な過ごし方と言えば、サマースクールかサマーキャンプと知ったのは、まだ息子が3歳だった2年前。


親が働いている場合、子どもと同じ期間が夏休みになるわけはないので、休みを取らない限りどこかに預けなくてはならないが、どうせ預けるなら子どもの興味のあることをやらせたいと思う。

でも、サマースクールとサマーキャンプの違いは?

サマースクールは教育機関や学区が提供している特別なカリキュラムで、内容は子どもの年齢によっていろいろ。

高校ともなれば勉強重視の補習授業・夏期講習もあるが、プリスクールや幼稚園、小学校ではサマーキャンプに近いそうだ。息子が3歳から通ったプリスクールもサマースクールを提供していて、息子は3歳と4歳の夏はそこに通い、毎週トピックを変えた体験重視のアクティビティはいつもどおり楽しかったらしい。

一方、サマーキャンプは「キャンプ」と言っても、日本でいう「山やキャンプ場でテント宿泊」というものではなく、日帰りの教室のこと(子どもの年齢が上になれば、泊りがけもあるかも)。

1週間区切りが基本で、水族館、美術館、科学館、動物園、総合大学、政府機関、プロのスポーツチーム、企業が提供元となり、トピックはスポーツ、ペインティング、自然、サイエンス、生物、コーディング、レゴ、バイオエンジニアリング、セーリング、音楽、演劇など、実にうらやましいほどいろいろなことが楽しく学べるようになっている。ネットで調べていたら、最近では日本からも参加する人がいるらしい。

筆者の息子の場合、今年は6月にプリスクールを卒園し、9月からキンダーガーテン(幼稚園)に入園するという段階なので、興味のあるテーマのサマーキャンプをあれこれラインナップすることにした。

なにせ今年はもう「プリスクーラー」向けではなく、「5歳向け」「5歳から」「幼稚園入園予定向け」(=Entering K)のキャンプに入れるので、選択肢が実に多いのだ。

そして小学生から上になると、選択肢はさらに広がる。来年はおそらくこのワシントン大学のプログラム( http://www.summer-camp.uw.edu/ )に行きたがるだろう。これはとても人気が高く、受付開始と同時に申し込むぐらいの争奪戦らしい。

ティーンなら、マイクロソフトが提供するプログラム( https://www.microsoft.com/en-us/diversity/programs/digigirlz/hightechcamp.aspx )のように、大企業が提供するものもいいかもしれない。

そんなわけで、恐竜・動物好きの息子は、1週目はワシントン大学にあるバーク自然史博物館の恐竜キャンプ、2週目はシアトルにある動物園の動物園キャンプを選んだが、かなり楽しかったらしい。プリスクールから一緒のお友達と申し込んだのも、ちょっとシャイな息子には安心材料になったようで、お友だちの姿を見つけるなり、私のことを忘れてお友だちと遊び始めた。迎えに行くと、何をしたか、何が楽しかったか、ノンストップのおしゃべりが始まり、毎日作ってくるトピック別のクラフトで思い出も増えていく。

3週目の今週はレゴキャンプ。朝起きるなり、「今日からレゴキャンプ! 何を作るのかなあ。僕が作りたいのはね……」と、着替えや朝ごはんの間にもあれこれ考えて忙しい。

緯度の高いシアトルの夏は日が長く、日没は午後9時頃になる。ぎりぎりまで外で遊んで疲れ果てて寝落ちしても、大好きなトピックのサマーキャンプは早起きするのに効果大だ。


しかし、「長いなあ」と思った5歳の夏休みも、残すところ1ヵ月半。始まってしまうと毎日やることがあれこれ出てきて、あっという間に終わってしまいそう、とカレンダーを見ながらちょっと焦りを感じている。

……すると、オンラインのショッピングサイトから “Back to School Sale”という件名のメールが。新学年度の始まりに備えて、洋服や筆記用具をそろえるためのセールだが、なんだかいつもより早く始まってないか? 新学期が始まれば、次はハロウィン、感謝祭、クリスマス……。気づいたら今年ももう終わりなんて話していることになりそうだ。

大野 拓未大野 拓未
アメリカの大学・大学院を卒業し、自転車業界でOEM営業を経験した後、シアトルの良さをもっと日本人に伝えたくて起業。シアトル初の日本語情報サイト『Junglecity.com』を運営し、取材コーディネート、リサーチ、ウェブサイト構築などを行う。家族は夫と2010年生まれの息子。