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親になったから、見えるものがある。

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【米国発】デジタルネイティブの子どもを魅了するARコンテンツ体験

航空会社のマイレージの有効期限が切れるとの知らせがあったのが昨年末。もう利用していない航空会社のものだったので、雑誌講読のオプションに充てることにした。

私はほとんどのコンテンツをオンラインで読むが、写真にお金をかけている雑誌は、やはり紙で読みたい。ニュースや旅行関係、子ども向けのスポーツの雑誌を選び、翌週には郵便で配達されてきた雑誌を手に取った。

子ども向けのスポーツは「Sports Illustrated」のKIDS版で、今月の特集は冬季オリンピック。表紙を飾っているのは両親が韓国からの移民だという韓国系アメリカ人の米国代表スノーボーダーで、わずか17歳のクロエ・キムさんだ。

スキーが好きな息子は、彼女が雪の中に立っている写真を見ただけで「わー!」と反応して手にとっていたが、横から見ていると「さすが移民国家アメリカ、代表選手はいろいろな人種がいるなあ」と実感する。


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【米シアトルの小学校レポート】日常から始まる個人の尊重、どこまでもポジティブに


9月に小学校に入学してから2ヵ月あまり。その間に、カリキュラム・ナイト、パジャマ・デー、ハーベスト・パーティーなるものが開催され、今月はさらに担任の先生との個別面談、先生感謝デー、ホリデー・クラフト・ショーがある。

アメリカのホリデー・シーズンは第4木曜の感謝祭から元日まであっという間に過ぎていくが、こういった学校行事も加って、ますます忙しくなるに違いない。

息子の学校のカリキュラム・ナイトは、学期が始まって1週間がたった平日午後6時半に子どものホームルームで始まった。4人が1グループになるよう4つの机と椅子が2つずつ並んで向かい合わせに置かれたものが5つ。

そして、ホワイトボード、プロジェクター、米国旗とワシントン州旗、たくさんの本がレベル別に並んだ本棚、揺り椅子がひとつ、荷物を入れる個別のロッカー、手を洗うシンク、先生の机がある。

壁のあちこちには先生が好きだというドクター・スースの「Cat in the Hat」が貼られ(子どもたちへのポジティブなメッセージが書いてある)、かなりきちんと整理整頓されている。1年生の机も椅子も、とても小さい。来年6月にこの教室を去る時は、どのぐらい背が伸びているのだろう。

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アメリカの小学校入学風景 ――バーベキューにポップシクル、入学前のイベントで気分もアップ

ここ米国北西部の夏の終わりを告げるレーバー・デーの祝日が明けた9月上旬、息子が小学校に入学した。

近所に住む一番仲のいい従兄とのスクールバス通学がそれはそれは楽しみで、数日前から「あー、待てない! 楽しみ!」と何度も言い、初日の朝も「早くしないと、バスが来ちゃうかもしれないよ!」と、セカセカ、ソワソワ。

それでも、家から見える集合場所まで私と夫と手をつないで歩く息子に、「まだ6歳だなあ」と喜んでいたら、従兄が歩いて来るのが目に入った途端、パッと離した手を従兄に向かって振り、"Can I sit with you on the bus?" と、子どもの世界に行ってしまった。

同じ集合場所からスクールバスに乗るのは小学校付属の幼稚園生から5年生まで15人ぐらい。それぞれに一人または二人の保護者がついて、おしゃべりをしている。私たちが初めてと知るや、向かいの家の人が「帰ってくるときはバスは坂の上から来るからあっち側にいたほうがいいわよ」とアドバイスしてくれたりする。そういう会話はこれまでしたことがなかったので、なんだか新鮮だ。

予定到着時刻より10分ほど遅れて、山吹色のスクールバスが角を曲がってやって来た。

いよいよだ。


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99年ぶりの皆既日食 米国横断! アメリカをひとつにしたサイエンス

皆既日食(total eclipse)がアメリカ本土で見られるのは38年ぶり、アメリカ本土西海岸から東海岸を横断するのは99年ぶりとあって、私の周りでも、皆既日食の通り道のホテルやキャンプ場を1年以上も前から予約していたツワモノもいれば、皆既日食の通り道でないシアトルでも、部分日食を見ようと外に出た友人知人がたくさん。おかげで、日食の間はタイムラインが写真で埋め尽くされ、アメリカがサイエンスでひとつになったかのようだった。



アマゾンで販売されていた一部の日食メガネが不良品と発表されて大騒ぎとなったのは日食の約1週間前。日食メガネはどこも完売との報道があり、ある店に別件で電話したところ、「お電話ありがとうございます。日食メガネは完売しておりますので、それ以外のご用件を承ります」というような挨拶をされた。顧客サービスも大変だ。

そして、日食を直接見たら目にどんなダメージがあるか、日食メガネがなくても見られる方法はこれだといった情報が次々と拡散され、当日、メディアは朝から皆既日食で持ちきり。トランプ大統領夫妻がホワイトハウスで日食メガネをかけて空を見上げている映像も主要メディアで流れたが、そこはアメリカ。トランプが日食メガネをかけずに空を見上げて指差している瞬間をとらえた写真も同時にどんどん拡散されて、すっかり新しいインターネット・ミームとなっている。

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子ども向けアクティビティトラッカー事始め ――ガーミンの新デバイス「vivofit jr.」

「朝起きてから寝るまで、ノンストップ」

典型的な6歳児とは、たいていそんなものだろうか。電池が切れかけギリギリでも、「この本、読んで」と催促したり、「まだこれやってるから」と寝るのを先延ばししようとして、電池が切れる瞬間まで何かしている。

息子の場合、最近は「あ、眠くなってきた」「ちょっと疲れたみたい」と、電池切れを自分なりにわかって伝えてくれるようになってきたが、先日、筆者の夫が子ども向けのアクティビティトラッカーを買ってきたときは、「基本いつも動いてる子どものアクティビティをトラッキングする意味はあるのか?」と思ってしまった。

筆者自身、「君は睡眠時間が明らかに足りない。これならゲーム感覚で、日々のアクティビティを管理できる」と、これまた夫が数年前に買ってくれたウェアラブルデバイスの「Fitbit」に一時はかなりハマッた。しかし、そもそもゲームをしないし、手首に何かつけるのが嫌で腕時計もつけないので、付け忘れたりする日の方が多く、反省するばかりなのだ。

しかし、息子は夫が買ってきた、赤色で恐竜のティラノサウルスが画面に表示されている、ガーミン社の子ども向けデバイス「vivofit jr.(ヴィヴォフィット ジュニア)」を、一目で気に入った。軽いし、手首にはめるだけで(リストバンド式)、防水対応なのがいいらしい。「遊んでる時に落としたりしないし、スイミングにもつけたままでいい!」


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ウィスラーで親子スキー ――子どもの成長が親の趣味の視点を変える


子どもが興味を持ったことが親にも身近になることはままあるが、一方で、子どものおかげでかつて自分が好きだったものを思い出させてもらうこともある。

筆者の場合、スキーがそれだ。昨シーズンに息子がスキーを始めてハマッてから、ほぼ毎週末は雪山に向かっている。

子どもの頃の冬休みはスキー好きの父に連れられて長野県でスキー、シアトルでの学生時代も冬はスキーをしていたのだが、夫が特にスキーに興味がなく、私までやる気が失せてしまったらしい。気づいてみれば10年以上も遠のいていた。

しかし、雨の多いシアトルの冬に、「アウトドアでアクティブに」となると、定番はやっぱりスノースポーツ。車で約1時間も走ればスキー場だし、子ども向けのスキー教室もある。いつもかなりアクティブな息子に聞いてみると、「やってみたーい」とのこと。何でも親子で一緒にやるクセがついてしまっている我が家は、私はスキー、夫はスノーボードを、再開することとなった。

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アメリカでもそろばん! IT系インド人の間でブームが続く

子どもを育てていると、子どもが興味を持つことによって、自分が今まで知らなかったこと、とくに気を払っていなかったことがいきなり身近になることはよくある。

我が家でも、動物、草花、虫をはじめ、飛行機などの乗り物、レゴ、水泳、ロッククライミングなど、数え上げればきりがないが、そこに最近「そろばん」が加わった。


息子が初めてそろばんに触れたのは、週一回通っていた日本語教室だったようだ。

「ママ、そろばんって知ってる? 今日、やったよ。あれ、好き~。もっとやってみたい」

筆者自身のそろばんの記憶はかなりおぼろげなのだが、得意ではなかったことだけはよく覚えている。

「アメリカにもそろばん教室があるの?」
「コンピュータのある時代に、そろばん?」

そう思われるかもしれないが、全国珠算教育連盟にはアメリカ支部があり、アメリカには同連盟に所属している教室が全米に14。毎年数回の珠算大会をアメリカでも開催しているという。

たしかに、シアトルの人種の割合の半数以上を占める白人の子どもさんが、レゴやマインクラフト、そしてポケモンGO(もうブームは終わったが)のような感じで、「そろばんがアツい!」というようなトレンドは見られない。

しかし、シアトル地域在住の日本人の子どもだけがそろばん教室に通っているわけでもない。実は、そろばんは今、上昇志向の強いインド人に高評価なのだ。

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「トランプの時代」にアメリカで生まれ育つ子に教えるべきこと


1億人以上が視聴するという米国最大のスポーツの祭典で、アメリカンフットボールの最高峰、NFLの優勝決定戦である「スーパーボウル」。2月5日に行われた試合の前に流れたテレビコマーシャルのひとつは、コカコーラの『It's Beautiful』だった。

さまざまな人種のアメリカ人たちが、英語を含む7ヵ国語でアメリカ賛歌『America the Beautiful』を歌うこのコマーシャルは、2014年に初めて流れた。"Together Is Beautiful"の言葉で締めくくっていたが、あの時も賛否両論になったこのコマーシャルが、それから3年後、ますます必要とされると同時に、新たに物議をかもす世の中になっているとは想像もできなかった。

Coca-Cola | It's Beautiful

【参照】America is Beautiful and Coca-Cola is For Everyone
http://www.coca-colacompany.com/stories/america-is-beautiful-and-coca-cola-is-for-everyone


先月20日の就任以来、トランプ新大統領が、アメリカを、そして世界を日々騒がせている。
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米国最高峰プロスポーツの試合後監督コメントに見た子育ての教訓

つい先日、シアトルのNFL(アメリカンフットボール)のチームが、アリゾナのチームとオーバータイムで引き分けとなる試合があった。
http://nfljapan.com/headlines/6992

これだけなら「へえ」と思うだけだろう。
しかし、この試合には、チーム史上初の引き分けという記録以外に、双方のチームのキッカーが、「決めれば勝利決定」という状況でゴールを外してしまうという、じつにドラマチックな出来事があったのだ。


これでも「へえ」と思うだけかもしれない。
だが、この両者の失敗について、双方の監督がまったく異なるリアクションをしたことについて、ある経営コンサルタントがチームマネジメントの例として分析していた。

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アメリカ大統領選2016、米国での子育てへの影響はいかに

世界中から注目されるアメリカの大統領候補の討論会がようやくすべて終了し、投票日まで2週間を切った。

シアトル在住で日本国籍の私にはアメリカの選挙権はないので、「単に見聞きしたことで騒いでいる外国人」と言われるかもしれないが(それなら世界中のアメリカ人以外はみんなそうなるのだが)、アメリカで育児をする親にとって、選挙は非常に身近なものとなる。

米国心理学会が行った調査によると、今回の選挙で「ややストレスを感じる」「かなりのストレスを感じる」と回答しているアメリカ人が52%になったというのだ。
http://www.huffingtonpost.com/entry/how-to-manage-election-stress_us_57ffa468e4b0e8c198a672d4

そのストレスの原因は、人それぞれいろいろあるだろうが、今回においては人間の基本的な部分で足元をすくわれるような発言があることがひとつかもしれない。


「アメリカの大統領になりたいという人物が、こんな程度でいいのか?」「子どもに真似してもらいたくない」とあきれさせられる、大統領としての品位がまったく感じられない人格を露呈させた発言、勝手に疑惑を作りだしては不安をあおる手腕、そしてそれに「Yeah!」と歓呼の声をあげる支持者の姿には、シアトルの自分の普段の生活では見ない異様な恐ろしさを感じるのだ。

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