秋の夜長。お風呂の中で、「今日あったこと」を娘たちから聞いていたときのことだ。

うっかりすると三人娘が同時に喋り出すのを「お母さんはお釈迦様じゃないから全員いっぺんに喋られても聞けないよ!ひとりずつ!」と制した後、おっとり屋の次女(6歳)が、こう切り出した。


「あのね~あのね~、きょうね~、ほーくえんでね~、『おうちごっこ』やったら、めずらしくパパがいたの~」。

へぇっ、めずらしく?

「うん、めずらしいんだよ~」。

「あ~パパ! いないよね!普通」と口を挟むのは、姉の長女(9歳)。「『おうちごっこ』ってさー、ワタシも幼稚園ンときやったけど!パパっていてもいなくても意味ないし、だいたいママもいないよねー! 普通」。

「……だいたいママもいないもんなの?」と、三女(2歳)を洗い場で泡だらけにしながら母が問う。「いないよぉ~!」と湯船の中の次女。

「それ……どういう家族なの???」。

「あのねぇ、えーとぉ。今日はおねえさんが、わたしと○○ちゃんでえ、××組さん(年中)の△△くんがパパになってくれたんだけどぉ、パパはいたけどママはいなかったの!」。

「あと□□組さん(年少)の◆◆ちゃんと◇◇くんが赤ちゃんになってえ、◎◎組(年長)の●●君が、犬だったんだよぉ~!」。

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