子どもの頃、友だちとするごっこ遊びが何よりも好きだった。
滑り台や砂場を海の中やお城に見立てて、人魚になったりお姫様になったり。
想像力を思いっきり膨らませて、背中の羽根でどこにでも飛んでいくことができた。

しかし、大人になって気づいてしまった。
子どもが木の枝を拾って、「変身するよ。せ~の、それ~!」と振り回しても、その木の枝はただの木の枝であって、決して魔法のステッキには見えない。
もう、子どもと想像の世界を共有することはできないのだ。
子どもの頃に生えていた背中の羽根は、いつの間にか消えてしまったのだ。

■子どもと遊ぶのは眠い


まあ、そんなわけで、親となった私の目下の悩みは「子どもと遊ぶのがつらい」ということだ。

とくに幼い子どもとの遊びは、同じことを繰り返しなので眠くてたまらない。
しかし、寝てはいけない。少しでも目を離せば、子どもは命の危険にさらされてしまう。
そして、親の眠気のピークと、子どもの昼寝のタイミングはたいてい重ならないので、猛烈な眠気を我慢しなければならず、拷問のようでもある。


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