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【書評】『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』――私たちが直面する「壁」にリンクするトピックが随所に綴られる

4月の小学校入学から半年が経った。

入学前からやんわり聞かされてはいたものの、配布されるプリントが多い、準備する持ち物が多い、PTAの活動や保護者会などで親の稼働が増える、夏休みなど長期休みは学童用のお弁当を毎朝用意しなければならない……など、小学校には数多の試練が待ち受けており、「小1の壁」というやつをことごとく体感した一学期。

一方、当事者である娘といえば、学校と学童という新しいコミュニティがふたつもでき、保育園時代のように昼寝もなくなり、体力的にはかなり消耗した様子ではあったものの、ものすごい順応性を発揮して、学校でも学童でもよろしくやっている。

ノートラブルとはいかないまでも、生活面でも成長面でも彼女にとってはよい変化が多く、子育てのステージが一段上がったかも!なんて感じていたこのタイミングで出会ったエッセイが、今の気持ちにとてもフィットする良著だったのでご紹介したい。

あまりの面白さに怒涛の勢いで読了し、購入してから現時点でもう3~4回通しで読んでしまった、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(ブレイディみかこ/著 新潮社)は、ジャンルとしては「子育てエッセイ」なのだけれど、今まで数々読んできた育児本とは一線を画す、異質とも言える存在だ。


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「私は私」大坂なおみさんの言葉より ――どんな子どももそう思えるようにまずはまわりの大人から

全米オープンテニス2018で優勝した大坂なおみ選手が、来日記者会見で、「自分のアイデンティティをどう考えるか?」ときかれ、「考えたことがない。私は私」と答えたことは記憶に新しい。

記者の質問の内容も趣旨もわかりづらく、さらに通訳の不備もあったとの報道を読んだが(たしかに、動画を見ても通訳の説明がよくわからなかった)、人種も経歴も実に多様な人が住むアメリカで、人種ではマイノリティにあたるなおみさんが、世界のトップアスリートとなり、「私は私」と20歳ではっきり言える人に育っていることに感動してしまった。


ハイチ系アメリカ人の父親と日本人の母親の間に、大阪で生まれたなおみさんは、3歳の時にニューヨークに移住し、現在はフロリダを拠点に活動している。アメリカの大都市には、そんなふうに人種と経歴が多様な家庭が多い。

しかし、シアトルで親子カウンセリングをしている高田 Dill 峰子先生によると、アメリカで育つマイノリティは、ある程度の年齢になると、自分の人種におけるアイデンティティについて試行錯誤するそうだ。
(参照記事:https://www.junglecity.com/pro/pro-family/finding-your-own-identity/

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