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親になったから、見えるものがある。

ジェンダー

「性」はすべての人が当事者 ――勉強会「子どもたちの健やかな未来を守る包括的性教育」レポート

先日、米国在住の友人が、「アメリカでこのようなサービスが開始したよ!」と下記のリンクをシェアしてくれた。


オンラインでの医師の処方を介して、ひと月分のBirth control(避妊薬)から、Plan B(緊急避妊薬)などを届けてくれるサブスクリプション(月額定額制)サービスとのことで、病院での診療が要らない、月額3.99ドルから始められるなどの合理性の高さに「さすが」と唸ってしまった。

避妊に失敗した、望まない妊娠の可能性がある場合に、緊急時に一定期間内に服用することで、100%ではないものの高い確率で妊娠を防ぐことができる緊急避妊薬は、日本国内では現時点では医師の処方箋が必要であることと、高額(約6,000円~2万円)と、手に取りやすいとは言い難い。

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緊急避妊薬を必要とするすべての人に届けられるように、これまでもキャンペーンや政府への提言を行ってきたNPO法人ピルコンは、若い世代に正しい性の知識を届けるための課題に取り組んでいる。
去る11月12日に衆議院第一議員会館で開催された勉強会「子どもたちの健やかな未来を守る包括的性教育」では、内閣府の各省庁担当者や有識者たちからの情報共有が交わされた。

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私は鳥になりたい

子どものころ、鳥のように大空を羽ばたいて飛んでみたいとよく思ったものだ。
母となった今も、鳥にあこがれることには変わりない。
しかしそのあこがれには、「空を飛びたい」以外の気持ちも加わっている。鳥は私が渇望する、結婚・子育ての理想を体現しているように思えるからだ。


少し前、さまざまな動物の家族の形態や子育て方法について調べる機会があった。進化とともに生物の繁殖の戦略はどう変わっていくのか、子育てはどのように行っていくのか。
調べてみて実感したのは、

「やっぱり鳥類最高!」

ということである。

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夫の年収のカゲにあるもの ――妻たちのイライラのインサイト

唐突ながら、結婚後、離婚を考えたことのある人はいるだろうか。

「独り身になったら/母子のみになったらどう生活していくか?」というソロバンをはじき、自治体の制度を調べ、生活プランまで思案した人は、どれくらいいるだろうか。

しかしながら、母親ひとりの稼ぎで子どもを食べさせていく厳しさが見えたり、今までのように子どもに習い事や外食などをさせてあげる余裕はないよなあ……という結論が出て、不満はあるものの現状維持に甘んじているという人、あるいは本気で離婚するほどでもないとくすぶっている人も、私のママ友にいる。

ここに、妻の経済力が夫より弱いパターンが多いことを実感する。
でもって、たま~に「オレの方が稼ぎがいいから!」というママ友の夫方の声が聞こえてきて、そこには「だから妻から離婚は切り出さないだろう(安堵)」という本音が透けて見える。

結論からいえば、その通りなのだ。
ただ、その過程には「いろいろある」ので、妻たちがときどき超絶キレたり、なんとなくイライラしているのだ。今回はそこをひも解いてみたい。


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シンカリオンに「発音ミク」登場で、女かつ母である私の深読みが止まらない

2018年4月21日に放映された『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』に、人気ボーカロイドの「初音ミク」が「発音ミク」となって、H5系はやぶさに搭乗した。

「だからなに?」と思うのが通常の反応だろう。以前当サイトで書いたコラム『アニメ「シンカリオン」の「こまち」のパイロットが女子じゃない問題』で、「こまちに乗るのは女子だろう!」といういたたまれない私の気持ちを吐露して数ヵ月、私の声が届いたのか?(……いや、コラム公開と同時くらいに正式発表があった)、女の子がシンカリオンのパイロットになったことが、単純にうれしいのである。

ただ、見ているうちに、発音ミクがどんどん自分ゴト化されてしまい、男女間の「よくある光景」を通り過ぎ、ほろ苦い過去を思い出し、やや暗い気分になってしまった。今まさにセクハラのトピックがメディアを席巻し、男女間の就労意識の差にも意識が向いているからだろうか……。


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アニメ「シンカリオン」の「こまち」のパイロットが女子じゃない問題

来たる2018年の1月6日(土)より、TBS系列で『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』の放映が始まるらしい。(毎週土曜朝7:00~)

シンカリオンとは、JR東日本企画、小学館集英社プロダクション、タカラトミーの3社共同による肝入り企画であり、実際に使われている新幹線をそのままの姿・名前で、タカラトミーがおもちゃ化、JR東日本が監修、小学館集英社プロダクションがライセンスを持っているという、大人のうま味のあるコンテンツだ。


“鉄分”(=鉄道成分)の薄いファミリーにはピンとこないだろうが、鉄分濃いめの我が家では「そう来たか!」という衝撃があった。人気の的である実在の新幹線の躯体がそのままオモチャに!しかもアニメでも見られて、さらにその正義の味方の秘密基地が、かの「てっぱく」だなんて!
(※「てっぱく」とは、さいたま市にある「鉄道博物館」のこと。ちなみに我が家は年間パスポートを4回更新中)

「ふふふ、てっぱくとは仮の姿、実は正義のロボット・シンカリオンを開発している『新幹線超進化研究所』だったのだ!」

ココが!毎週来ていたココの地下が研究所だったとは! とくにパッとした目玉施設のない我らがさいたま市が、全国区へ名をはせるかもしれない……アガるなと言われる方が無理である。


というわけで、シンカリオンがコンテンツとして発表された2015年からワクワクしていたのだがしかし。ここで、モヤっとしたことがあった。主要パイロットに、どうやら女子がいないのだ。

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女だから/男だからの役割意識を越えるのではなく、壊せたら

このところの旅行の記憶といえば、もう100%子どもの行きたいところばかりが続いている。今年も行った先のメインは鉄道系の博物館。幸運にも本物の運転士さんがシミュレーターのエリアに来てくれる日だったらしく、息子が運転体験をしている様子を見守りながら、私は運転士の仕事や訓練などについていろいろと話を聞かせてもらえてしまった。

■自分でも意外だった根強い性別フィルター


体験時間が終わって「本物の運転士さんだって!すごいね~」と息子に言ったら、その運転士さんが、「あ、こちらも運転士です」と、息子の横で操作方法を指導してくれていた方を紹介する。おぉそうだったのか!となんだかバツが悪い。

ふたりとも運転士だなんて思わなかったとか、制服が同種に見えなかったいうのもあるけれど、もっと理由があった。その方は女性だったのだ。

今私が話している人は運転士、ということは、息子についてくれている「女性」は、教えてくれるスタッフ系の人なのか車掌さんとかなのかな……。そういう判断をなんとなくしていた。あぁ、私は確実にこの人を「女性」というフィルターで見ていたんだ。その自分の先入観にガツンと気づかされて、ちょっとショックだった。

そしてやたら「女性の運転士!かっこいい」的な反応をする自分がまたなんだか嫌になってしまう。

男とか女とか、生物として違うとはいえ、社会的な役割に関しては極力フラットでいたい、と常々思っているのだけれど、自分の根っこにはりついている、「女だから……ではない」とか「女なのに……ですごい」という感覚に、いまだにびっくりするほど左右されていることに改めて気づかされてしまった。


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夫婦の役割分担、はっきりしている方が楽?

夏の小旅行、帰りの新幹線で駅弁の夕食を済ませ、遅い帰宅をした。その日は楽しい疲れでぐったりで、いつもなら息子が寝入ったあとにそのまま自分も寝てしまうパターン。でも、2泊分の真夏の洗濯物が気になって起き出した。洗濯機2回分、夜中にありったけのハンガー類で無理矢理干す。

そんなことをしている間に夫は寝入っている。普段ならこのシチュエーション、「なんで私だけが洗濯を!!」とイラっとしそうなパターン。ところが、どうやらなんだか違う。「まあ、私がやっとくよ」と、結構素直な気分。……一体これは、なんでだ?


■旅行中のはっきり役割分担が効果?


旅行の間、普段とはちょっと違う役割分担が生じた。

目的地で利用したレンタカーは、全面的に夫が運転した。私はペーパードライバーなので頼るしかない。とはいえ普段車無し生活だから、久々の運転で疲れただろう。夫の旅行バッグには重いものばかりが配分されていたし、仕事の疲労度合いも重なって、彼の体力消耗度は明らかに、高い。

一方私の体力的負担は、息子が乳幼児期に比べたら激減した。子どもが自分で歩きリュックを持ち、抱っこや幼児的なぐずりの心配がない年齢になったのは大きな違いで、気持ちの負担も軽くなった。

全体として、夫が体力面全般を担当、計画や各種手配・準備などソフト面は私が担当というきれいな構図が出来上がったわけだ。

運転能力・腕力で私より明らかに勝っているから、いいよね!よろしく!と、私の側も割り切って罪悪感なく頼ってしまえて少し気楽。だからその分、まぁ疲れたよね、ゆっくり休んでよ、と自然に感謝もして、夜中に大量な洗濯をしてもブツブツ独り言を言わずに済んだのだろう。

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「子どもの世話をするのは母親でなければならない?」若者意識調査の国際比較に大きな差

内閣府は、平成25年度に実施した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」の結果を発表した。調査対象国は日本のほか、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの計7ヵ国。同調査は13歳~29歳までの男女を対象にしたWEB調査で、各国1,000件前後の回答が得られた。

調査では「男女の役割観」についてきいており、「男は外で働き、女は家庭を守るべきだ」という質問に、日本の若者は<賛成する>が22.3%、<反対する>が38.7%と回答した。

7ヵ国の比較では、<賛成する>の割合はアメリカ(26.9%)、イギリス(25.5%)が日本よりも多かったが、その一方で<反対する>もアメリカ(59.6%)、イギリス(61.3%)と高い割合を占めた。

なお、日本の「反対する」の割合(38.7%)は7ヵ国の比較では最低で、「反対する」割合はスウェーデン(87.6%)、フランス(84.2%)、韓国(80.4%)の順で高かった。


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男っぽいとか、女らしいとか、子どもたちはいつから身につけるのか?

「ジョセイタイインがね」、息子が言う。
ジョセイタイイン? あぁ、「女性隊員」か。
最近、1960~70年代の昔のウルトラマンシリーズに夢中だ。

「ジョセイタイインの仕事はね、現場にはあまり急行しない、コーヒーやお茶をいれたりする、コンピューターで調べたりする」。
おぉ、ひと昔前の、なんともステレオタイプな仕事っぷり!

40年以上前の類型化された性役割モデルを子どもが正確に読み取ってしまった事実に軽く焦り、「でも、南夕子は女性だけど北斗と一緒にウルトラマンエースに変身するよね?」と、何となくフォローしてみる。


■戦隊ものにおける女性


75年にスタートした「スーパー戦隊シリーズ」の初代「ゴレンジャー」では、5人のうちモモレンジャーが紅一点だった。80年代からピンク+イエローも女性になるケースが出始め、設定はさらに多様化しつつも、だいたい1~2人の女性が含まれている。

最近のシリーズ3代の女性隊員の変身前の姿を見ると、ピンクは「女子大生でお嬢様」や「元王女」という、いかにも女の子なのだ、け・れ・ど・変身するとすごい。イエローは、女の子な・の・に・「活動的」で「負けん気が強い」。

変身後同等に戦っていても、これらの設定で「女の子らしさ」という性役割イメージは、むしろ強調される。

さらに、「恋心」の概念すら無い幼い男児をターゲットにしながらも、ストーリーにはそんな要素もちりばめられる。

「アイドル姿で男性を『クラクラ~』とさせて、『骨抜き攻撃』する敵」が出現した時、息子に「今どうやって攻撃したの?」と聞かれた。その設定が理解できない男児に、「大きい男の人はかわいい女の子を見るとね……」なんて説明をしながら、こういう男と女の類型を一般化して解説するのもどうなんだろうなぁ、と自問する。


■同族意識をもち排他的になる子どもたち


性役割意識は、子どもたちの側からも押し寄せる。

男女の存在を理解し、相手の性別を判断するというのは、それなりに高度な認知のステップで、幼いうちはそれすらわからない。

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【スウェーデン発】“性別に中立な”おもちゃのカタログ

人形を着せ替えている女の子、水鉄砲を振り回す男の子。今までのおもちゃカタログであれば、このような子どもたちの写真が使われていただろう。しかし、スウェーデンの大手玩具販売チェーンであるトップ・トイ社では、今年、そのカタログ作成に従来とは異なる趣向を凝らしてきた。キーワードは“ジェンダー・ニュートラル(性役割に中立であること)”だ。

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