かつて『名前をなくした女神』というドラマがあった。ママ友関係のドロドロを描いたドラマで、「名前をなくした女神」とはすなわち、「母親という生き物」のことである。
それまで、〇〇さんという名前で呼ばれていたのが、子どもを産んだとたんに「●●ちゃん(子どもの名前)ママ」と呼ばれるようになるから、「名前をなくす」のだ。

私が初めて出産し、退院後初めての健診に行ったときのこと。
小児科の診察の順番待ちをし、いざ子どもの順番が回ってきたとき、子どもの名前を呼ばれて「お、おぅ…」とうろたえた。それは、「この健診の予約から付き添いまですべて私がやっているのに、呼ばれるのは意志表示もろくにできない新生児なのか」と思ったからである。
でも、それは当然だ。診察を受けるのはその新生児なわけなのだから。これについては、その後予防接種や健診、体調不良などで小児科へ足しげく通い始めることで慣れていった。
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それまで、〇〇さんという名前で呼ばれていたのが、子どもを産んだとたんに「●●ちゃん(子どもの名前)ママ」と呼ばれるようになるから、「名前をなくす」のだ。

私が初めて出産し、退院後初めての健診に行ったときのこと。
小児科の診察の順番待ちをし、いざ子どもの順番が回ってきたとき、子どもの名前を呼ばれて「お、おぅ…」とうろたえた。それは、「この健診の予約から付き添いまですべて私がやっているのに、呼ばれるのは意志表示もろくにできない新生児なのか」と思ったからである。
でも、それは当然だ。診察を受けるのはその新生児なわけなのだから。これについては、その後予防接種や健診、体調不良などで小児科へ足しげく通い始めることで慣れていった。
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