大変遅ればせながら、ようやく『魔法少女まどか☆マギカ』の通常放送全12話を観た。

『魔法少女まどか☆マギカ』(以下、まどマギ)は、テレビアニメが2011年に深夜アニメとして放送され、表層的な萌えビジュアルに相反した意外かつ理不尽なストーリー展開で、一部のアニメファンにとどまらずに支持を集めて話題となった作品。そして今月26日からは、劇場版第三弾が上映される。



筆者が欧州駐在の頃から、「観るべきだ」「観ろ」「まだ観ていないとは!?」と、あちこちからせっつかれる傍らで、すでに日本国内のみならず、欧米のオタクたちまでもが湧きに湧いているのを見て、空恐ろしいシリーズであることは知っていたのだ。

「フツーの魔法少女ものだと思って見始めたら、第3話で見事に裏切られるから」
「第10話は神回だから」

事前にウワサで聞かされていた通り、第3話でも第10話でもしっかり肌にあわだて、思わず画面の前で正座した。おんなのこたちが大好きそうな魔法少女ものの、それらしく仕立てられた設定に、突如とんでもなくドス黒い主題が流し込まれる。切り取られ永遠にループする、人生で「さも一番美しそうに見えて一番醜い」、闘いと性と狂気の思春期である。

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