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親になったから、見えるものがある。

保育園

子どもにどうやって「正しい持ち方」を教えるの? 箸が持てない母の苦悩


少し前、「箸の持ち方がおかしい。お嫁にいけないよ」と小学校の先生から注意されたというツイートが話題になった。

実際に「お箸の持ち方がおかしい人とは付き合えない」という声はよく聞く。
たしかに、食事をして不快かどうかは結婚相手を決めるときに重要だと思うので、「お嫁にいけない」という言い回しの古さはどうかと思うが、そう間違ったことは言っていないと思う。



かくいう私も、お箸の持ち方がおかしい。
2本の箸の間に中指を挟むことがどうしてもできないのだ。
子どものころからさんざん、親からは「お箸の持ち方が変だ」と言われてきたし、私自身直そうともした。正しい持ち方をしたほうが食べ物をこぼさずにうまくお箸を使えるし、そちらのほうが一緒に食事をする相手を不快にさせないことだって頭ではわかっている。

しかし、中指を挟む持ち方はどうしても私にとっては持ちにくくて、結局自己流の変な癖のまま大人になってしまったのである。

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保育園の通過儀礼、それは保育園着ダメ出し後出し問題

今年も待機児童問題でたくさんの親たちの悲鳴が上がっている。
周囲との軋轢と闘いながら声をあげた親たちによって、この問題についてはようやく国が重い腰を上げて動き始めた。しかし、いつまでたっても根本解決する気配がない。

それは、問題の当事者が短期間で入れ替わるからだとも言われている。
その時期を我慢してやり過ごせば、次の問題が降りかかってくるので、親はそちらに手いっぱいになる。だから、いつまでたっても過去に悩んだ問題に関わっていられないというわけだ。

親の失業という、人生を左右するような大きな問題でさえ、そうなのだ。

もっと些細な問題、たとえば学校や園の非効率的なシステムのせいで、親や先生が疲弊する類のものは、表面化すらしない。というか、問題提起しようとしたら、「何細かいことで文句言ってんの。そんな苦労は序の口だし、ちょっとの間なんだから波風立てずに我慢したら」という周囲からの冷ややかな目にさらされて、問題提起した側が悪者にされてしまいがちである。とくに、誰でも入れる公立小学校ならともかく、保育園というのは入園するだけでひと苦労だ。何か不満を漏らそうものなら「不満ならやめれば?」という反論が来るため、保護者は口をつぐむしかない。

そういうわけで、そんな些細な問題に直面したら、陰で愚痴を言いながら我慢することが正しいお作法だとされている。そして、当事者でなくなると、その不満を忘れてしまう。だから学校や園は保護者の不満に気づかないか、うっすら気づいていても本腰を入れて改善しようとしない。それで何年も何年も使い勝手の悪いシステムが運用され続けるのだ。


だからこそ、あえて問題提起してみようと思う。
今から取り上げる問題は、もしかしたら先輩ママはとうに忘れてしまったかもしれない。しかも、すべての保育園児の親が経験するとは限らない。しかし、入園する園によっては、親がとても疲弊する。

その問題とは、「保育園着のダメ出し後出し問題」である。

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「子連れ出勤」後押しの発想に「対赤ちゃん時間」の見積もりの甘さ ――育児現場は非常事態!

「子連れ出勤」の話題がまだ記憶に新しい方は多いだろう。1月半ばに少子化対策担当大臣が子連れ出勤の様子を視察し、政府として後押しする方針を出したことに対し、多くの子育て世代が違和感を示した。当初SNSがざわつき、それらの反応を新聞等が次々に報じた。

■それは果たして「昭和の頭の硬いオヤジ的発想」なのか?


「子連れ出勤」というスタイルが、選択肢のひとつとして排除されることなく認められること自体は柔軟性という意味でおおいに歓迎したい。でも、それが可能かどうかは別の話だ。「子連れ出勤」が多くの親たちを救う解決策か、と聞かれたら、それは明らかにNOだ。

子どもがそばにいる状態で仕事をするには、子どもの性格、健康状態、発達段階、親の仕事の環境、仕事内容のすべてがラッキーな側に傾いている必要がある。すべて、努力して手に入れられるものではなく、「たまたま」どうか、という種の要素ばかり。該当する人や時期は極めて限られているだろう。


ところが、育児をディープに経験していない多くの人は「赤ちゃんのめんどうをみながらでも仕事はできる」って思ってしまいがちだ。これは「昭和の頭の硬いオヤジ的発想」と思われがちだけれどもそんなことはない。子どもが乳児期の男性でも日中会社にいて主に妻が育児をしていたらたぶんそう思う。女性だって、育児に直面していない人は、たぶんそう思う。

実のところ、私自身も子どもを生んで育児がリアルに始まるまで、なんとなく「どうにかなるかな」と思っていた。

実際は、ほんとうに、無理だった。

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「いい母」の呪いをかけるのは誰か

子どもに何か問題があると、母親はすぐに「愛情不足では?」と言われがちである。
そして、母親が
「物心つかない子どもを預けて働きに出る」
「子どもを預けて大人だけで遊びに行く」
「子どもにテレビやスマホを見せっぱなしにして積極的に関わらない」
「親が子どもの前でスマホをいじっている」
「料理を手抜きする」
などの行動をしていると、「子育てを放棄するダメ母」のレッテルを貼られてしまう。

"実にナンセンスだ。こんな規範は日本だけだ。"
"海外の母親は、そんなことてらいもなくやっている。"
"日本の女性よ、もっと自由になって!"

そういうトーンの、ネット上の書き込みや記事は巷にあふれている。
だから、私は「そもそもそういうことを気にしないぞ!」と思いながら子どもを産んだ。

しかし、実際に子育てしてみると、よっぽど心を強く持たないとなかなかそのポリシーは貫けない。
なぜ罪悪感を覚えてしまうのか。それは「世間」からの強いプレッシャーを受けるからなのだ。


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「名前をなくした女神」的文化はママ友関係をうまくやるための知恵である

かつて『名前をなくした女神』というドラマがあった。ママ友関係のドロドロを描いたドラマで、「名前をなくした女神」とはすなわち、「母親という生き物」のことである。
それまで、〇〇さんという名前で呼ばれていたのが、子どもを産んだとたんに「●●ちゃん(子どもの名前)ママ」と呼ばれるようになるから、「名前をなくす」のだ。


私が初めて出産し、退院後初めての健診に行ったときのこと。
小児科の診察の順番待ちをし、いざ子どもの順番が回ってきたとき、子どもの名前を呼ばれて「お、おぅ…」とうろたえた。それは、「この健診の予約から付き添いまですべて私がやっているのに、呼ばれるのは意志表示もろくにできない新生児なのか」と思ったからである。

でも、それは当然だ。診察を受けるのはその新生児なわけなのだから。これについては、その後予防接種や健診、体調不良などで小児科へ足しげく通い始めることで慣れていった。

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保活ママに届けたい、「保育の質」はどう作られる?【後編】


■数が増えれば質が落ちるセオリーは本当か?


ここ2年くらいで、急激に保育園が増えてきたと感じることはないだろうか? 女性の社会進出促進と待機児童の解消は、ここ数年、国の中でも常に重要テーマであり続けているわけで、国や自治体も頑張っているようだ。

東京都では「環境確保条例」=正式名称:「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」を2015年に見直し、それまでデシベルで上限規制をかけていた「子どもの遊び声」を、「規制の対象外とする。そもそも子どもの声は騒音ではない」とした。この条例の見直しも、きっと保育園の新設の後押しになっているのだろうと推測する。

地域差はあるものの、この勢いで保育園が増えていけば、いずれ私たち保護者が保育園を吟味できる時代がやってくるかも?!なんて甘い夢を抱きつつ、一方で、「数が増えれば質が落ちる」のセオリーの方も気になってきた。

ということで、「保育の質って何ですか?」の突撃取材に行ってきましたレポートの後半である。

【関連アーカイブ】
保活ママに届けたい、「保育の質」はどう作られる?【前編】


今回は、都内の中でもコンセプトにかなりエッジが立っている超人気園を取り上げる。「認可なのにこんなことができるの?」という驚き満載。「私の家の近所には無いわー!」と残念がる方もいるかもしれないが、多くの保育事業者が毎年新規園を開設しているので、「明日は我が街にも……!」という可能性に期待していただきたい。

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保活ママに届けたい、「保育の質」はどう作られる?【前編】


■保育園飽和時代が近づいている?


ワーキングマザーの増加で保育を必要とする世帯が増え、国をあげて保育園を作っている。
我が家が居住する目黒区でも、この2年間で急激に認可保育園が増えたと感じている。東京都認証保育園の中でも、2歳児クラスまでしかない小規模園では、すでに昨年から最終学年の定員割れが発生。私の息子が通う認証保育園でも、今年度、2歳児クラスは過半数を割っている。都内の認証保育園の中には、新たな園児の受け入れをストップし、現在の在園児が卒業したら園を畳むと決定したところもあるくらいだ。

まぁこれも地域差はあるだろうし、依然として0・1歳児クラスの需要には供給が追いついていないが、たしかに私の周りに保育園は増えている。もしかして、「保育園は利用者がサービス内容で選ぶ!」時代が近づいてきているのかもしれない。(現在は保活で第10希望まで申請するが、結局のところは、まだまだ「入れれば御の字」。)

一方で、保育園が飽和する前であっても、これだけ保育士不足が叫ばれる中、「保育園の数が増えれば質は落ちるのでは?」という保護者としての純粋な疑問もある。ちまたには、「保活コンサルタント」というサービスも生まれていると聞く。保育園は保活テクニックではなく本質的なことで選びたいというのが私の個人的な心情なので、今回私が直接、いくつかの園に取材に行ってきた。

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親歴5年目、「子育て環境が良くなってる?」と実感した話

我が家の娘も年長クラスに上がり、「保育園に通うのもあと1年足らずかー」「ランドセルどうしよう?」「就学前検診はいつだっけ?」「卒対もあるよなー」……と、あれこれタスクを思い出しては忘れ、を繰り返している。そして、ここ最近送迎のたびに、今までになかった空気を感じるようになった。

「あれ、送迎担当してるパパさん、ものすごく増えたんじゃない……?」

ある日登園すると、玄関ホールに置かれていた靴が、私以外すべて男性物の革靴だった。
また別の日は、土砂降りの雨の中、自転車の前と後ろに子どもを乗せたパパさんが、スーツの上に着ていたレインスーツを脱ぎながらバタバタと園内に駆け込む姿を見かけた。

毎朝我が家とほぼ同タイミングでお見送りをしているパパさんは、お迎えも担当しているようで、17時ごろ自転車で爆走しながら保育園に向かっている。

会話をしたことはないので、何組とか、名前までは知らないけれど、みんな乳児クラスに子どもを預けているようだ。


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夜間保育園の日常をありのまま描く 映画『夜間もやってる保育園』大宮浩一監督インタビュー

新宿・歌舞伎町のほど近くの大久保に位置するエイビイシイ保育園では、日々、子どもたちの笑い声が響いている。ここは認可夜間保育園として運営しており、夕方以降、夕食を食べ、お風呂に入り、就寝する子どもたちもいる――

『夜間もやってる保育園』は、このエイビイシイ保育園を中心とした夜間保育に焦点を当てたドキュメンタリー映画だ。待機児童の解消が叫ばれる一方で、ワークライフバランスの見直し、働き方改革などにより、子どもと過ごせる時間を優先して、という意見も散見され、一筋縄では行かない保育の問題。

「僕自身も最初は夜間保育に対する偏見はあったかもしれない。だけど、偏見というのはそれを『知っている』人が持つもの。まずは夜間保育園の存在を知ってもらえれば」と語る大宮浩一監督に単独インタビューを行った。



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幼児の母親が仕事をするためのリスク管理つれづれ:フリーランス編

実は「リスク管理」ができていません。
すいません、いきなり出オチです。「リスク管理」なんてカッコイイこと、できていません。結論を書いておくと、結局、肉親頼みです。

仕事をドタキャンして泣いたこと約10回、そのまま仕事がなくなったこと数回、夫を恨んだこと数十回、我が身を呪ったこと数え切れず。ギリギリの綱渡りと、リスクを真正面から被ることで1年間やってきた、その軌跡が誰かのお役に立てたらいいな、と話を進めます。

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