MAMApicks -子育て・育児・教育ニュース&コラムサイト-

親になったから、見えるものがある。

母親

「子どもを産めば親の気持ちがわかる」って本当ですか


世の中には、子どもを産んだことのない人を黙らせることのできる魔法の言葉がたくさんある。

そのうちのひとつは、

「子どもを産んでいないから未熟だ」

であり、もうひとつが、

「子どもを産めば親の気持ちがわかる」

である。

本当にそうなんだろうか。
私は以前からそれに反論したくてたまらず、子どもを産んでからもずっとそのことを考え続けてきた。

「子どもを産んでいないから未熟だ」とか「子どもを産んで成長しました」という言葉については、以前ここで考察し、「『子どもを産んだら成長できる』ってどうですか?」という記事にまとめた。

というわけで、今回は、

「子どもを産めば親の気持ちがわかる」

という言葉について考察したい。

続きを読む

「ワンオペ育児は不自然」となりそうな研究のクラウドファンディングをしてみた


クラウドファンディング、やったことはあるだろうか。
いわゆるネットで集める寄付や投資のことで、一般的に協力者は何かしらリターンとなる見返りをもらうことができる。まあ、ふるさと納税みたいなものか。

私のサイフの紐はけっこうカタめなのだが、「ワンオペ」とか「つわり」などのワードを見ると、共感を通り越して思考停止し、勝手な使命感にかられる。

先日、編集部を通して「新生児の生活リズムの形成過程を知るため」、ゆくゆくは「行動生理学的にみて母親のワンオペ育児は不自然なのでは?」という仮説を証明するため、研究者がクラウドファンディングを募っているということで、千葉大学までお話を伺いに行ってきた。

【関連記事】
「ワンオペ育児はやっぱり無理ゲー!」に関する科学的検証が始動まぢか
http://mamapicks.jp/archives/52246811.html

研究のテーマをざっくり説明すると、人類はワンオペ育児よりアロマザリング(母親以外の大人も共同で子育てすること)が適しているのでは?というもので、本研究はその証明の第一歩となりうるものである。

具体的には新生児の赤ちゃんに母親だけが昼夜つきっきりの場合と、父親などのほかの大人が介入した場合、赤ちゃんの生活リズムの作られ方に差はあるのかを調べるもので、被験者は妊婦、夫、お腹の中の赤ちゃんの3人。出産後も調査を続ける長期戦で、合計約1年ほど生活リズムを測定するという。

続きを読む

「ワンオペ育児はやっぱり無理ゲー!」に関する科学的検証が始動まぢか

世の中の母親たちはぎりぎりのところで頑張っている。そして常に思っている。

「ワンオペ育児なんて無理ゲーだ」

いやほんと、そのとおりである。
出産で大ケガをしているような状態の体で、体内から母乳を分泌し、それを徹夜しながら与えるだなんて、命を削る行為以外の何物でもない。母親はアンパンマンかっつうの! ……いや、ワンオペ育児の母親はアンパンマン以下かもしれない。力が出なくても誰も新しい顔をよこしてくれないんだから。


そして、赤ちゃんは歩くこともできなければしがみつく力すらない。
抱っこしないとろくに移動できないくせに、抱っこの主要な担い手とされている母親はホルモンの影響で腱鞘炎になりやすくなるって、仕様として矛盾しまくっているだろう!

実際、人類学の観点からもワンオペ育児では無理があるといわれている。
そもそも人類は、狩猟採集の歴史が長かった。猿人として登場したのが約700万年前で、そこから農耕が始まる約1万年前まで、男性は狩りに出て家から離れ、女性は家の近くで採集を行いながら“共同育児”をしていたのだ。

農耕生活が始まったのだって、人類の長い歴史からすればつい最近のこと。核家族で、しかも共働き世帯が主流という現代の家族形態なんて、そこから考えるとどれだけ特殊なのか、という話である。体の仕様が追いついていないのも当然だ。

続きを読む

おかあさんだから、メンズ服を着たいのか?

『あたしおかあさんだから』の歌詞が炎上し、作詞担当の絵本作家のぶみ氏と、だいすけお兄さんが謝罪する事態となったのは記憶に新しい。ネット上では、「母親の自己犠牲を肯定・推奨していて気持ち悪い!」という意見が強いなか、私の周りでは「まあ言うほどではない」という人も多い。

私はといえば、歌詞を読んだ後、「え?オチはないの? まさかコレ、本気で公表した?」と思い、ああ、作者は惜しいことをしたな~と思ったものだ。最後に「んなワケないよね おかあさんでも いい加減 目をさませや(メロディー無視)」ってつければ、だいぶ印象が変わったのになあ、と。

さて、炎上についてはこれ以上ふれず、その代わり歌詞の内容とリンクしている自分がたしかにいたことを白状しておこう。

ネイルとヒールはご無沙汰、朝は5時台に起き、パートはいかないまでも、新幹線ほか鉄道の名前は覚えた。レアなラベンダー色の帯ラインのH5系にも乗車済みである(室内デザインが雪モチーフでかわいいぞ)。

「子持ちになった」ことで生活環境にパラダイムシフトが起きたことはたしかに一緒である。


歌詞中のおかあさんと大きく違うところは、歌から「母親たるもの〇〇であるべき」がニオッているのに対して、私は自分が好きでやっているところだ。ツイッターで盛り上がっているハッシュタグ「#あたしおかあさんだけど」を見ていると、そういうおかあさんは多いようで、安心する。

続きを読む

ピンクの魔法 ――ピンクのものを身につけるとちょっと気分がアガル!?

ここ数日、「だいぶ涼しくなったな、この時期は着るものが困るなー」と、毎年恒例の通算何度目か分からないことを考えながら、ファッション系のウェブサイトをボーっと眺めていた。

テレビをザッピングする感覚で、まさに「目が泳ぐ」状態であちこちのページを移動していると、ピンクのアイテムで埋め尽くされた特集が目に飛び込んできた。

一流ブランドからアンティークまで、おもちゃ箱をひっくり返したように溢れだすピンク色のアイテムに見入りながら、「このセーター可愛いなあ、こんなトーンのピンクは着たことないかも、着てみたいなあ」と妄想に耽ったあと、ふと自分の姿に目をやると、白いシャツとカーキのズボンだ。

「今の私、ピンクが足りてない……!」

思い立って衣装ケースから濃いピンクのズボンを取り出して履き替え、洗面所に立ち、ピンクのチークと口紅を塗った。

普段家にいるときにはつけないピアスもピンク色のものを選んでつけた。マニキュアは前日に塗ったところだったので、ピンクには替えられなかったけど、全身におけるピンク率が急激に上がったところで、すごく気分が高揚していることに気付いた。

「何だこんな簡単なことで気分ってめちゃくちゃアガるんだな……!!!」

続きを読む

なぜ、母親たちはニセ科学にハマるのか ――「母親たちの宗教戦争」に思うこと

世の中には怪しい情報が蔓延している。
特に美容や健康に関するものは顕著だ。いわゆる「ニセ科学」とか「トンデモ健康法」というやつである。


トンデモ健康法は、自分を実験台にするのだと割り切って、リスクを承知の上で、手のかかる子どものいないライフステージのときに、自分自身で試してみるだけならまだいい。

しかし、そうではないのなら話は別だ。親自身が万一健康を害すれば子どもの世話がおろそかになるし、拒否できない子どもに試せば、子どもにも健康被害が及ぶ可能性がある。

また、ニセ科学はマルチ商法とからんでいることもよくある。私のもとにも勧誘が来たことがあったが、そのたびに「マルチって友だちなくすよね……」とさみしい気持ちになる。マルチ商法にハマった親の子どもだって、友だちづきあいに支障をきたすことだろう。

しかし、たとえ明らかな健康被害を被っていても、友だちをなくして孤立しても、ニセ科学を信じている人に「それは怪しいよ」という忠告をするのは無駄というものだ。こういう人はたとえ医師などの専門家が忠告してもまったく耳を貸さない。

何せ、本人たちは「私は子どものために勉強を欠かさず、子どもにとって最もよい情報をつねに追い求め、それを実践しているよい母親だ」と思い込んでいる。だから、忠告したほうが悪の枢軸側の人間にされてしまう。

それを見るにつけ、この永遠に分かり合えない感じって、なんだか宗教戦争みたいだよなあ……と思うのだ。

続きを読む

母の健康、それは家族の安定


「突然ですが、あなた、健康に自信はありますか……?」

夜中の健康食品紹介番組が私に問いかける。
テレビに映っているあなた。残念ながら、当方すっかり風邪を引いて寝込んでいる。なんならこの原稿をいま病床で書いているのだから……。

生まれてこのかた、入院したことなどなかった筆者だが、結婚してから、出産を含め、3度入院している。うち1回は、原因不明の高熱で10日間入院した。

子どもが増えると、保育園などでもらってきた病気の“親の罹患率”はさらに上がる。それでいて、我が家の兄弟どうしで感染することはまれなのだ。これが解せない。

そうだ、年々こちらの免疫力と体力が落ちているのかもしれないなあ。

子どもたちはどんどん元気になって、長男(6歳)に至ってはここ数年発熱での欠席をしていない。1歳の次男ですら今年は2回休んだ程度じゃないだろうか。

出会った頃はともに30代になりたてだった我々夫婦も、現在は40代である。
若いつもりが、年をとったのだ……。

続きを読む

世の中の母は頑張りすぎていないか? ――口内炎30個発生の原因を探る

■口内炎の耐えられない痛さ


梅雨の時期、口内炎が30個以上できた。
昔から口内炎持ちだったので、2~3個できるのはしょっちゅうだったが、さすがにこの数、途中で数えるのをやめてしまった。食べることもしゃべることもできない。仕事もできない。痛くて痛くて何にも集中できないのである。

2ヵ月ほど前にも10個ほど出現、その時は市販のビタミン剤でなんとかしのいだ。しかし、今回のはもう、耐えられない!!! そして、生まれて初めて口内炎で医者に行った。消化器系が関連しているのでは?とのネット情報で、まずは最寄りの内科へ。


「こりゃ、ひどい」と、皮膚科を紹介され、その日のうちにわが子がいつもお世話になっている皮膚科へ。そこの女性医師も、「ひどいですね……」と絶句。症状から推察できる病名を挙げて、「原因を徹底追及しましょう!」と、共闘の姿勢をみせてくれた。

原因を追究すべく、とりあえずできる検査をして、2日に1回の診察、という会社員であればとうていできない通院生活をしばらく続けてはみたが、「原因はコレ」あるいは「病名はコレ」といった「決定打」がない、という皮膚科医の見解。

そうこうしているうちに、処方されたビタミン剤や消化器官用薬、鎮痛剤などの服用で、症状そのものは改善、喉元過ぎれば熱さ忘れつつある私であった。

続きを読む

【話題】男性の「一人暮らしは不便」という意識に異を唱えたい

『母がしんどい』(新人物往来社)、『ママだって、人間』(河出書房新社)などの著作で同性からの支持も厚い漫画家の田房永子氏。同氏が通販サイト「Love Piece Club」で連載中のコラム「女印良品」で、今月9日に更新された「一人暮らしは不便」というコラムが話題になっている。

女印良品「一人暮らしは不便」
http://www.lovepiececlub.com/lovecafe/mejirushi/2014/06/09/entry_005173.html

電車の中で、二人連れの年配女性から聞こえてきた会話に田房さんは釘づけになる。片方の女性の息子が一人暮らしを始めたらしいのだが、その息子は家事をするのが大変だから「一人暮らしは不便だ」と主張しているという。それに対してもう片方の女性は「家政婦雇うしかないんじゃない」とアドバイスする。


続きを読む

「できる母」の姿は見たくない ~育児の理想に母は弱い~

マクドナルドで息子とふたりで昼食。
私の正面前方のカウンター席に並んで座った大学生くらいの男女の会話がなんとなく聞こえて来る。

■間接的な指摘 ―― ダメ出し1


男子学生が言う。
「へぇー新鮮。あんな小さい子でもマック食べるんだね、親子で。おれ食べたことなかったもん」。

ん……? 妙にひっかかる。

―― ≪そうですね、確かにここは天下のファストフード店ですね。体に悪いっていいますよね。いや、でもっぱり来ますって。何事も頻度の問題かなぁと思うわけで、ゼロにすることもないかなぁと。しかもあの、今日は朝からけっこう遠い特別な公園に来ていてですね、ものすごく寒いわけなのです。真冬の公園でおにぎり食べる元気が本日の私にはありません。午後もこの子に付き合うのかと思うとちょっと30分くらいは暖かいところに避難したいと思ってですね。そうするとやっぱりここが手軽で手頃なんです。≫

……独り頭の中で言い訳を展開。

続きを読む
フリーワード検索


MAMApicksソーシャルアカウント

最新記事
月別バックナンバー
執筆者一覧

MAMApicksって何?

編集長:深田洋介

学研の編集者を経てネット業界に。育児、教育分野を中心にネットメディアで10数年にわたり活動中。思春期の娘の父。

藤原千秋

おもに住宅、家事まわりを専門とするライター・アドバイザー。2001年よりAllAboutガイド。三女の母。

河崎環

教育・家族問題、世界の子育て文化、書籍評論等、多彩な執筆を続ける。家族とともに欧州2ヵ国の駐在経験。

江頭紀子

経営、人材、ISOなど産業界のトピックを中心に、子育て、食生活、町歩きなど のテーマで執筆。二女の母。

狩野さやか

ウェブデザイナー・ライター。技術書籍やICT教育関連の記事を中心に執筆。著著に『ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋』。

恩田和

新聞記者、アメリカ留学を経て、2010年第一子出産。育児、教育分野の取材を続ける。南アフリカで4年間の駐在を経て現在米国在住。

西澤千央

フリーライター。二児(男児)の母だが、実家が近いのをいいことに母親仕事は手抜き気味。「サイゾーウーマン」等でも執筆。

川口由美子

管理栄養士としてメーカー勤務の後、独立。現在は雑誌やWEBで活動。夫の転勤に伴い2004年よりアジアを転々と。二児の母。

ワシノミカ

フリーデザイナーとして活動後、TV各局のWEBセクションを転々とし、現在はWEBディレクターとして活動中。二児の母。

真貝友香

ソフトウェア開発、携帯向け音楽配信事業でのSE業務を経て、マーケティング業務に従事。現在は夫・2012年生まれの娘と都内在住。

大野拓未

米・シアトル在住。現地日本語情報サイトを運営し、取材コーディネート、リサーチなどを行う。家族は夫と2010年生まれの息子。

福井万里

大手SIerのSEから、東日本大震災を機に退職し、ライター活動を開始。2012年に結婚&長男を出産、その後シングルマザーに。

大塚玲子

編集者&ライター。編プロや出版社勤務経験後フリーに。結婚、離婚や子ども、家族をテーマにした仕事を数多く手がける。

加治佐志津

絵本と子育てをテーマに執筆。これまでに取材した絵本作家は100人超。家族は漫画家の夫と2013年生まれの息子。

西方夏子

フィンテック系企業に所属。ワーキングマザーとしてフリーランスと会社員の両方を経験。夫の海外赴任に帯同中、2012年ドイツで長女を出産。

森田亜矢子

コンサルティング会社、リクルートを経て、第一子出産を機に退職。現在は食育・マザーズコーチング講師、ライターとして活動。

望月町子

子どもが1歳半になったころから“子連れ出勤”を開始、日々をブログ「1歳からの子連れ出勤」に綴る。夫と娘の3人暮らし。

斎藤貴美子

コピーライター。得意分野は美容。最近日本酒にハマり、主に飲んで勉強中。これからの家族旅行は酒蔵見学。二児の母。

今井明子

編集者&ライター、気象予報士。母親向けお天気教室の講師や地域向け防災講師も務める。家族は夫と2014年生まれの長女、2018年生まれの長男。
ニュース配信中
livedoor
ameba
mixi