MAMApicks -子育て・育児・教育ニュース&コラムサイト-

親になったから、見えるものがある。

母親像

「親タブー」から自由なお父さん ――「母親像」を背負いやすいお母さんとの比較から

ひとりで歩いていた時のこと。ちょっとよろけて右側にルートがずれた直後、後ろから来た自転車が追い抜きざまに、ごちゃごちゃっと恨み言と舌打ちのまざったかたまりを吐きすてていった。自転車は子ども乗せ自転車で、運転していたのは男性。夕方の送迎タイムだったから、彼も何かすごく急いでどこかに向かうところで、ひどくイラついていたのだろう。

■たしかにひやりとするけれど……


いや、わかるよ。私も子ども乗せ自転車で走っている時に、前の人が急にルートを変えたりするとひやりとする。通常は相当気を遣っていても、道路事情は悪いし、ひどいイライラモードのときは、文句のひとつも言いたくなったりも、そりゃぁまぁ、する。

でも、絶対にそれを口に出しては言わないし、舌打ちもしない。模範解答的な意図ではなく、もっと何か違うレベルで大きな抑止力が働いているからだ。

■「親」ラベルという抑止力


抑止力になるのは、子ども乗せ自転車という「親」のラベル。

もし私が自転車で追い抜きざまに舌打ちをしたら、それは「通行人に舌打ちした女性」ではなく、「通行人に舌打ちした誰かのお母さん」になってしまうという意識が常に頭の隅にある。「ノンジャンル女性」ではなく「母」というラベルが自分の前面についているから、「そういうお母さんはまずいよなぁ、避けたいなぁ」というのがシンプルに抑止力になる。

「◯◯くんのお母さん」と特定される可能性があるから下手なことはできない、というのもゼロではないけれど、もっとベースの部分で「親」モードが起動して、「それをやるのはまずいよね」という「親タブー」な項目が頭にセットされる感じだ。

続きを読む

その「母親像」は目指さなくていい

年度が変わった。小2になった息子の黄色い帽子は役割を終え、上級生と同じ色の帽子になった。ランドセルの黄色いカバーを外し、真新しい帽子をかぶった姿はなんだか立派になった気がする。

しかし、やっぱり日常は相変わらずだ。新学期が始まって間もない今朝も、「ほら、早くご飯食べ終わって!」「急げー!」……などいつも通り。代わり映えしないなぁ。



■絶対に埋まらない距離


私が小1だった頃、上級生がとても格好良く見えた。4年生の女子はなんだかおしゃれで別世界、6年生なんて大人みたいだ。あぁ、4年生になったら私もあんな感じになるんだなぁ……!

しかし、2年生になる頃、気付いてしまったのだ。あれ?そうか、このメンバーのまま2年生になるのか。もしかして、私はいつまでたってもあの格好いい4年生と同級生になれないの? 永遠に「あの4年生」にはなれないってわけ?

じゃぁ6年生になってもこのメンバーのまま? もしかして、ハタチになっても? なんだこれ、一緒じゃん、「大きくならない」んじゃん。

絶対的な年齢が上がっても、決して追いつかず埋まらない相対的な関係……あぁショック。気付いた瞬間に渡り廊下から見た風景を妙にはっきり覚えている。

続きを読む

「母性」―― それは、子を育てながら育むもの

出産後の産院にて。
生まれたばかりのわが子を目の前に、ある事実にびっくりしていた。
育児書に書いてあること以外、子どものことが何も分からないのだ。産んだ瞬間、体の変化と同じぐらいの変化が、脳や心にも起きると思っていた。

私の身体の中から出てきた生き物。泣いているが、どうやったら泣きやむのだろう。母性本能があれば、子どものことが直感でわかり、身体からフェロモンのような見えない力「母性ビーム」が出て、赤ちゃんが泣きやむのでは? いくら自分に問いかけてみても、答えは返ってこない。

抱いてみた。泣きやまない。
「えっ…私の母性本能、なさすぎ…?」
両手で顔を覆う。

思えば、独り身だったころから、自分の母性本能に疑問があった。

続きを読む
フリーワード検索


MAMApicksソーシャルアカウント

最新記事
月別バックナンバー
執筆者一覧

MAMApicksって何?

編集長:深田洋介

学研の編集者を経てネット業界に。育児、教育分野を中心にネットメディアで10数年にわたり活動中。思春期の娘の父。

藤原千秋

おもに住宅、家事まわりを専門とするライター・アドバイザー。2001年よりAllAboutガイド。三女の母。

河崎環

教育・家族問題、世界の子育て文化、書籍評論等、多彩な執筆を続ける。家族とともに欧州2ヵ国の駐在経験。

江頭紀子

経営、人材、ISOなど産業界のトピックを中心に、子育て、食生活、町歩きなど のテーマで執筆。二女の母。

狩野さやか

ウェブデザイナー・ライター。技術書籍やICT教育関連の記事を中心に執筆。著著に『ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋』。

恩田和

新聞記者、アメリカ留学を経て、2010年第一子出産。育児、教育分野の取材を続ける。南アフリカで4年間の駐在を経て現在米国在住。

西澤千央

フリーライター。二児(男児)の母だが、実家が近いのをいいことに母親仕事は手抜き気味。「サイゾーウーマン」等でも執筆。

川口由美子

管理栄養士としてメーカー勤務の後、独立。現在は雑誌やWEBで活動。夫の転勤に伴い2004年よりアジアを転々と。二児の母。

ワシノミカ

フリーデザイナーとして活動後、TV各局のWEBセクションを転々とし、現在はWEBディレクターとして活動中。二児の母。

真貝友香

ソフトウェア開発、携帯向け音楽配信事業でのSE業務を経て、マーケティング業務に従事。現在は夫・2012年生まれの娘と都内在住。

大野拓未

米・シアトル在住。現地日本語情報サイトを運営し、取材コーディネート、リサーチなどを行う。家族は夫と2010年生まれの息子。

福井万里

大手SIerのSEから、東日本大震災を機に退職し、ライター活動を開始。2012年に結婚&長男を出産、その後シングルマザーに。

大塚玲子

編集者&ライター。編プロや出版社勤務経験後フリーに。結婚、離婚や子ども、家族をテーマにした仕事を数多く手がける。

加治佐志津

絵本と子育てをテーマに執筆。これまでに取材した絵本作家は100人超。家族は漫画家の夫と2013年生まれの息子。

西方夏子

フィンテック系企業に所属。ワーキングマザーとしてフリーランスと会社員の両方を経験。夫の海外赴任に帯同中、2012年ドイツで長女を出産。

森田亜矢子

コンサルティング会社、リクルートを経て、第一子出産を機に退職。現在は食育・マザーズコーチング講師、ライターとして活動。

望月町子

子どもが1歳半になったころから“子連れ出勤”を開始、日々をブログ「1歳からの子連れ出勤」に綴る。夫と娘の3人暮らし。

斎藤貴美子

コピーライター。得意分野は美容。最近日本酒にハマり、主に飲んで勉強中。これからの家族旅行は酒蔵見学。二児の母。

今井明子

編集者&ライター、気象予報士。母親向けお天気教室の講師や地域向け防災講師も務める。家族は夫と2014年生まれの長女、2018年生まれの長男。
ニュース配信中
livedoor
ameba
mixi