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親になったから、見えるものがある。

育児休暇

男性育休実録レポート ――取得しやすく、よりよく改善するために

5.14%。この数字は我が国の2017年度の男性育休の取得率である。年々上昇傾向にあるとはいえ、育休を取る男性はまだまだ少数派だ。そんな中、我が家では第二子の出産に際して、夫が2ヵ月間の育休を取った。

夫は結婚前から「育休を取ってみたい」と言っていたくらい、もともと育休取得には意欲的だったが、第一子の出産のときは、諸般の事情で育休取得を見送った。産褥期は親には頼らなかったが、なんとかなった。まず産後の回復を早めるために無痛分娩を選択し、産褥期は昼間にワンオペで家事と育児をしながら、買い物や役所関係の手続きなどを夫に頼むという方法で乗り切ったのだった。

しかし、2人目になるとこの方法だけではきつい。というのも、上の子の保育園の送迎問題が発生するからだ。ここで親を頼れない人の多くは、シッターやファミサポなどを利用して乗り切るのだろうが、我が家では出産はこれで最後になるだろうということもあって、夫が育休を取ることにしたのである。


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“Care”で支え合う ――≪after育休≫レゴジャパンの取り組み

本稿では、育休の先にある「働く」×「育児」の両立の多様な実現方法を模索すべく、他社に先駆けて先進的な取り組みをされている企業の制度と、実際にその制度を利用して育児と仕事の『自分らしい両立』を実現している社員の方の声をご紹介していきたい。連載の第2回目は、レゴジャパン株式会社を取り上げる。

子どもを持つ親なら、レゴを知らない人はいないだろう。昭和後期生まれでファミコン世代の私も、物心がつくころからレゴに慣れ親しんできた。自分の子どもには、レゴ・デュプロ(幼児向けライン)のディズニープリンセスシリーズを、ママ自身の趣味も兼ねて買い与えている。世界130ヵ国以上で販売され熱狂的なファンも多いレゴであるが、発祥の地であり現在も本社を構えるのは、「幸せの国・デンマーク」ということは、あまり知られていないかもしれない。

デンマークのある北欧と言えば、男女平等が早くから進んでいて、女性の就業率がとても高く、産後も働き続けることが当たり前の地域である。そんなデンマークに本社を置くレゴジャパンには、「子育てをしながら働く社員にとって働きやすい仕組みがあるのではないか?」と思い、同社の制度や子育て社員の働き方を取材させていただいた。

■ワークライフバランスの鍵は半径数メートル以内の信頼関係



▲お話を伺った3人の子育て中社員の皆さん
(左)清水さん、(中)今井さん、(右)Fengさん

お話を伺ったレゴジャパンの子育て中の社員3名(3人とも職種・ポジションは異なる方)が、「職場で働きやすさを感じる点」について、3人全員が異口同音に挙げたのは「子どもの急病や学校行事などで休むときに、ごめんなさいと言わなくて済むこと」だった。なんだったら、休む際にその理由を言う必要もないらしい。
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パパの育児休暇を当たり前に ――≪after育休≫リクルートコミュニケーョンズの取り組み

本稿では≪after育休≫をテーマに、育休の先にある「働く」×「育児」の両立の多様な実現方法を模索すべく、他社に先駆けて先進的な取り組みをされている企業の制度と、実際にその制度を利用して育児と仕事の「自分らしい両立」を実現している社員の方の声をご紹介していきたい。

連載の第1回目は、昨年(2016年4月)より男性の育児休暇取得を必須化した株式会社リクルートコミュニケーションズを取り上げたい。

同社はそれまで2日だった男性社員の子の出生時の特別休暇を最大20日に拡充し、うち5日の取得を必須化した。取得可能期限は子が満1才になる月の末日まで。無理なく取得できることを目的に、1日単位でも連続でも取得可能としている。

【制度名】妻出産休暇
【制度内容】妻出産当日、または、出産予定日以降、子が満1才の誕生月の末日までの期間に、育児・家事のための休暇として20日を付与する。
付与された日数のうち5日については、必ず取得するものとする。


もともと「価値の源泉は人」という人材マネジメントポリシーを掲げている同社は、2014年より「多様な人材の活躍支援」「多様な働き方の実現」の二軸で様々な取り組みを続けているが、この「男性社員の育児休暇必須化」は、ある男性社員からの切なる願いから生まれたという。


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子連れ出勤している人の給与から、子どものお世話時間を引く意味

私は都内の会社に、3歳の娘と一緒に、いわゆる「子連れ出勤」をしている。

これは私がフルタイムでの復職を希望し、認可、認証、認可外(高額すぎ)の保育園を諦めて半年ほど経ったころだっただろうか。友人の紹介で子連れ出勤を受け入れる奇特な会社と出会ったことに始まる。


子連れ出勤は娘が1歳7ヵ月頃から始まり、すでに1年半が経とうとしている。
当初はどこまで続けられるのか手探りで、乳幼児から幼児へと変化するこの時期に子連れ出勤を続けてこられたのは、ひとえに会社で働くスタッフさんたちの協力と理解があったからにほかならない。

勤務が半年を過ぎた頃から、個人ブロクで子連れ出勤のようすや悩み、良いところなどを書き残してきた。ブログを始めた理由はいくつかあるが、娘が大きくなった時に、どれだけたくさんの大人たちに大切にされて過ごしていたのか、いつか知ってほしいと思っているからでもある。

さて、そんな私のブログが一度、バズったことがある。
それは2015年7月25日の「子連れ出勤している人の時給を下げましょう、というお話」という投稿だ。
http://www.kozre.com/entry/2015/07/25/114036

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「育休は甘え」なのか? 非正規も正規もゆれる育休問題

先日、子育て中の女性社員にも平等なシフトやノルマを与える資生堂の働き方改革、いわゆる“資生堂ショック”をNHKの番組で紹介していた。

“資生堂ショック” 改革のねらいとは|NHKニュース おはよう日本
http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2015/11/1109.html

番組では、2013年に資生堂の人事部が子育て中の美容部員に向けて配布したDVDを紹介していたが、その内容は「(育休や時短の)制度に甘えるな」と役員が呼びかけるきびしいものであったため、ネット上では大きな反響を呼んでいた。

放送内容によれば、子育てをしていない美容部員から「不公平だ」と声をあげられ、制度運用の見直しを迫られた経営陣が出した結論が、「短時間勤務の社員も公平に土日勤務や遅番をこなしてほしい」というもの。

「えっ?」
このニュースを見た正直な筆者の感想がこれである。

シフトのある職業での時短について、子どものいない人に遅番や土日出勤が集中することで不満が出るのは理解できる。

しかし、その不満の矛先は育児中の社員でいいのだろうか……?


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「子連れ出勤」が働き方の選択肢のひとつになるために当事者として考えたこと

「子連れ出勤」という働き方を、テレビやネットメディアで目にすることが多くなった。
そもそも子連れ出勤とはどういうものなのか。

かくいう筆者は子連れ出勤を始めて1年が経ち、この新しい働き方に可能性を感じることも多い。ネットでは賛否両論、どちらかと言えばまだまだ否の方が多い子連れ出勤について、ひとりの当事者として考えてみたい。


子連れ出勤と一言で言ってもさまざまな視点があると思うが、会社、同僚、親、子ども、それぞれの立場では、子連れ出勤とはどんなものだろうか。


まず“会社”は、子連れ出勤を導入するとき、初めにそれを検討、決定する立場にある。
子連れ出勤を検討するということは、この取り組みが少なからず会社にとって利益につながることだと判断するのだろう。

私がこれまで聞いた導入事例で最も多いものは、中小企業が人材不足によってチャレンジに踏み切るというケースだ。さらに、子連れ出勤ができることを前提に人材募集をすると、ほぼコストをかけることなく、短期間で応募があるのだという。

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「子育て+ゆるく働く」を許容できる社会、そして自分

近々、第一子出産予定だという人とおしゃべりをしていたら、「ああいうことする親にはなりたくないなぁ」という想いが伝わってきた。どうしてそうなっちゃうのか不思議でしょうがない、という様子。

■でも、きっとあなたもやってしまう……


わかる、わかるなぁ、私も「こうなりたくないなぁ」と思っていたことがいくつもあった。

感情にまかせて怒る、頭ごなしの叱責、本人のペースを待たずに手を出す……しかし、これぜんぶ、私は結局やってしまったことばかりなのだ。0~2歳くらいまでは、けっこうゆったり見守る気持ちで過ごせていた気がするけれど、その後、もう、まったく残念なことに「やっちゃったリスト」入り。

だから、出産を控えた彼女に対しても内心思った。多分、今心にある「嫌な態度リスト」は、いずれ、ほぼぜんぶやっちゃうと思うなぁ……と。これは、意地悪な気持ちとかではなく、諦念めいた確信として。


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新入社員の意識の経年変化、「子どもが産まれても仕事を続けたい」女性は増加の一方で、「育児休暇を取得したい」男性は増えないまま

日本能率協会では、新入社員を対象に、会社や社会に対してどのような意識や価値観を持っているかの調査を毎年実施しているが、このたび2014年度の新入社員を対象に同調査を実施、その結果を発表した。回答した新入社員総数は1,039人(うち女性305人)。


そのうち「あなたは、将来子どもが産まれた場合、仕事を続けたいと思いますか」という質問は経年変化でその結果を公開しており、「ぜひ続けたい」と回答した【女性】は、8年前の2006年度は24.6%であったのが、今回の2014年度では38.0%に増加、一方で「育児に専念したい」と回答した女性は、2006年度の16.3%から2014年度は4.6%と減少していることが明らかになった。なお、どちらの年ももっとも多い回答は「続けられる環境が揃えば、続けたい」で、いずれも過半数を占めた。

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【寄稿】『ワーママ時間3倍術』子育てしながら“稼ぐ母”になるには?


『ワーママ時間3倍術』WAVE出版
「ワーママ」とは、「ワーキングマザー」の略称。笑って泣いて、前向きになれる「ワーママのためのビジネス書」! ワーママのバタバタを一気に解消するハッピーアイデアが満載。


現役ワーママの皆さん、毎日心身共にクタクタですよね。
出産を控えたプレママさんや、育児休暇中の皆さん、不安や心配でいっぱいではありませんか?

「私はワーママになるなんて、絶対ムリ!」
ワーママ予備軍からは、そんな声さえ聞こえてきそうですね。

もちろん、何の心構えや準備もナシにワーママになると……。
あなた自身が疲れ果てるか、家族関係にヒビが入るか、
はたまた職場で「ハァ?」と思われてしまう“お荷物なヒト”になってしまうことでしょう。
ここでは、職場にひそむ“ワナ”の例を、いくつか見ていきましょう。
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「マタハラ」「パタハラ」「妊活」「保活」……用語の氾濫と情報整理の必要性

つい先日のこと、『5時に夢中!』(※東京都のローカルテレビ局「TOKYO MX」の看板情報番組)を見ていたところ、番組内で夕刊紙「日刊ゲンダイ」の記事が紹介されていた。

ハラスメントもここまで…上司を無口に追い込む「パタハラ」って何?
http://gendai.net/articles/view/life/147858

以下、記事より引用。

―― パタハラとは、パタニティー・ハラスメントの略で、英語でパタニティー(Paternity)は「父性」の意味。つまりパタハラとは、男性が父性を発揮する権利や機会を職場の上司や同僚などが侵害することをいうようだ。


パタハラ。てっきりマタニティ・ハラスメントとパパを掛け合わせた造語かと勘違いしていた。世の中色んな名前を考える人がいるなあ、なんて思っていたところ、パタニティなる英単語があることに驚き。マタニティと対になる言葉のようだ。


でもちょっとパタハラって名前がよくない気がする。
パタハラ、と聞いても連想するのは、パタリロ、パタパタママ、あとX JAPANのPATA……ちょっと響きがポップすぎるというか、キャッチーすぎるというか、いまひとつ真剣味に欠けるように感じる。「○○ハラ」という言葉が蔓延しすぎなせいだろうか?

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