炎暑の中、国民的課題としての節電と向き合っている日本。ロンドンを訪れる日本人から聞く話や、メディアで節電の知恵が頻繁に取り上げられている様子から感じられるのは、本当に日本という国は挙国一致で何かを遂げることができてしまう、類い稀な国だということだ。

これは決して皮肉などではなく、国家や地域単位で争いなく合意を形成したり、ましてそれに基づいて一定の結果を出すということが大変に困難なヨーロッパにいて、節電というスローガンを掲げられた日本国民が暴動など起こすこともなく平穏に日々粛々と節電を実現していることに、純粋に敬意を抱く。

ローテクなヨーロッパ人から見れば、世界一ハイテクを謳歌していると信じられている東京で「国民の日々の地道な努力によって」節電が行われている図は、驚異以外の何ものでもない。続きを読む