夫を支えることを半ば義務付けられたプロ野球選手の妻(プロ妻)たち。某ドキュメント番組で見るその姿は、「夫を支える」ことがもはや芸、エンターテインメントとして昇華され、夫婦同権の当世にあって凄まじいインパクトを与えてくれる。
 【参考記事】『プロ野球選手の妻たち』にみる、女の傲と剛と業
 http://mamapicks.jp/archives/52156045.html


しかし最も興味をそそられるのは、プロ妻たちが「夫が主役、私は脇役」としながらも、その実主役を完全に食うようなバイプレーヤーとして機能しているところである。彼女たちは普段どんなことを考え、悩み、また喜びを感じているのだろうか。

このたび、くだんの某ドキュメント番組ファンを自認する筆者の執拗なアプローチが身を結び、メジャーリーグという最高峰の舞台に身を置く、青木宣親選手の妻・佐知さんに取材させていただく僥倖を得た。今回は「プロ野球選手の妻たち」かってに特別編。知られざる「プロ妻」の生きる道を訊いた。


青木 佐知
1983年生・群馬県出身、旧姓は大竹。法政大学在学中は体育会系水泳部に所属。2006年テレビ東京入社。2009年に当時ヤクルトスワローズの青木宣親選手と結婚。2012年には青木選手のメジャー挑戦と合わせて渡米。現在二児の母。近著に『うちの夫はメジャーリーガー 青木宣親の妻が見たメジャーリーガーの舞台裏』(カンゼン)。
ちなみに夫である青木選手はヤクルト時代にシーズン200安打を日本プロ野球史上初の2度記録、また2014年シーズンには所属するロイヤルズのMLBワールドチャンピオン……には惜しくも一歩届かなかったものの、チームの飛躍に多大な貢献をした。

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